飲食店でよく見るLEDパネル、コルトンフィルムとバックライトフィルムの違いとは?
飲食店の看板やメニューによく使われるLEDパネルですが、表示に使われるフィルムにはさまざまな名称があるのをご存じでしょうか?
「コルトンフィルム」と「バックライトフィルム」、さらには「透過フィルム」や「乳白PET」など――。LEDパネルに使われるフィルムの名称には、意外と多くの呼び方が存在します。
どれを選べばいいのか迷ったことはありませんか?
本記事では、それぞれの名称の違いの意味や背景をわかりやすく整理しつつ、飲食店でLEDパネルを導入するメリットやフィルム選びのポイントまでを解説します。
コルトンフィルムとバックライトフィルムって何が違うの?
飲食店でよく見かけるLEDパネル用のフィルムには、「コルトンフィルム」や「バックライトフィルム」といった名称がありますが、結論から言うと実はどちらも同じような素材を指していることがほとんどです。呼び方に違いはありますが、基本的な機能や構造に大きな差はありません。
コルトンフィルム=銀塩写真に由来した呼び名
「コルトンフィルム」という言葉は、もともと銀塩写真(化学反応で写す写真)を使って制作されていたライトボックス用の印画紙に由来します。広告業界や映画ポスターの世界で使われてきた歴史があり、今ではやや古めかしい印象のある名称です。
「銀塩写真」の意味
銀塩写真とは、フィルムに光を当てて像を記録し、現像や焼き付けを経て写真として仕上げる方式です。フィルムに塗布されたハロゲン化銀が光に反応して潜像を形成し、現像液で還元されることで画像が浮かび上がる仕組みを指します。
バックライトフィルム=インクジェット時代の呼び名
一方「バックライトフィルム」は、インクジェットプリンターを使った印刷が普及した2000年代以降に広まった名称です。 名前のとおり、背面(バック)からの光を透過させて表示することを目的とした素材で、LEDパネルや内照式看板に最適な構造を持っています。 特に、乳白PETのようなインクの定着性が高く発色に優れた透過フィルムが用いられ、ネット印刷や大判出力サービスでも一般的な名称として使われています。
現在は名称が違うだけで同じものを指すことが多い
現在では、「コルトンフィルム」も「バックライトフィルム」も、同様の内照式看板の素材を指しているケースがほとんどです。印刷会社や看板業者の呼び方の違いがあり、どちらもLEDなど背面光を活かす内照式パネルに対応したフィルムです。現在では名称によって性能や仕上がりを区別しないことが一般的です。
コルトンフィルムとバックライトフィルムの関係性
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コルトンフィルム
意味:元は銀塩写真を用いた照明用のフィルム
用途:内照式看板に使用
名称:印刷業界の慣習的な名称 -
バックライトフィルム
意味:インクジェット印刷を用いた照明用のフィルム
用途:現代のLEDパネル向け素材
名称:一般的な名称として普及 - ↓
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現在ではほぼ同じもの
名称の違いで現在は印刷方式、素材等を一般的には区別されないことが多い
「乳白PET」や「透過PET」は同じもの?
LEDパネルで使われる透過フィルムには、「コルトンフィルム」や「バックライトフィルム」などの通称に加えて、「乳白PET」や「透過PET」といった素材名による呼び方もあります。一見すると異なる性質の素材に思えるかもしれませんが、LEDパネル用途においては、これらはほぼ同等の透過型印刷フィルムを指す場合が大半です。
用途が違えば透明度も異なる?混乱のもとになる名称の違い
「乳白PET」は白みがかった半透明のフィルムで、光を拡散させる効果があり、LEDの光源をやさしく均一に見せるのに適しています。一方「透過PET」と聞くと“透明感のある素材”という印象を受けるかもしれませんが、LEDパネル用として出回っている透過PETも、実際は乳白PETと同程度の半透明性を持つ仕様がほとんどです。
ただし、ショーウィンドウ用や装飾用途の透過PET製品では、より高い透明度を持つものも存在します。そのため、LEDパネル向けかどうかを明確に確認することが大切です。
LEDパネル用途では「乳白PET=透過PET」として扱われることが多い
印刷会社や看板資材業者の間では、LED内照式パネルに使用するフィルムとして「乳白PET」も「透過PET」もほぼ同義として扱われることが一般的です。これらも「コルトンフィルム」や「バックライトフィルム」と同様に光を背面から通して印刷面を明るく見せる透過型の印刷素材であり、構造や用途を区別しないことが一般的です。
名称の違いは、製品ごとの表記ルールや業者の慣習によるものが多く、呼び方の違い=性能の違いではないことを理解しておくと混乱が少なくなります。
乳白PETフィルムと透過PETフィルムの関係性
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乳白PET
意味:白みがかった半透明ポリエステルフィルム
特徴:光を拡散しLEDの光源をやさしく見せる
用途:主にLED内照パネル用途で使用 -
透過PET
意味:主に透明度の高いポリエステルフィルム
特徴:内照式照明用の製品は乳白PETと同等の半透明仕様が多い
用途:ショーウィンドウ用途では高透明タイプも存在 - ↓
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LEDパネル用途ではほぼ同一素材
内照式パネルではほぼ同じ素材として扱われますが、装飾や窓面サインなどでは透明度の違いで使い分けられることがあります。
コルトンフィルムを選ぶときに気をつけたいポイント
飲食店でLEDパネルを使った販促を行う際、表示面に使用するコルトンフィルムの選び方はとても重要です。適切な素材選びをしないと、光の透け具合や仕上がりの印象に差が出てしまいます。このセクションでは、フィルム選定時に確認しておくべきポイントを解説します。
印刷方式に適した素材を選ぶ
コルトンフィルムを選ぶ際には、印刷方法に合った素材かどうかを確認することが第一です。主に使われるのはインクジェット印刷向けの乳白PETタイプで、インクの定着性が高く、鮮明な仕上がりが期待できます。一方で、レーザープリンタやオフセット印刷には適さない素材もあるため、印刷方式とフィルムの対応状況を事前に確認することが大切です。出力環境によって最適な素材は変わるため、制作前のチェックは欠かせません。
ラミネート加工の有無を確認
耐久性や使用環境に応じて、ラミネートの有無も選定ポイントになります。屋外に設置する場合や、水拭きなどの清掃が想定される飲食店では、表面にグロスまたはマットのラミネート加工を施すことで、印刷面の保護や見た目の高級感が増します。また、ラミネートの種類によって光の反射具合が異なるため、店舗の照明や設置場所に合わせて適した加工を選ぶことが重要です。美しさと機能性の両立がカギとなります。
貼り付け方式にも注意
コルトンフィルムには、糊付きタイプと糊なしタイプがあります。頻繁に差し替えるメニューやキャンペーン用の場合は、糊なしの方が使いやすい一方で、半永久的に表示する内容なら、糊付きタイプの方が安定性に優れています。特に湿気の多い厨房周辺では、剥がれにくさやフィルムの反り返りを防ぐために糊付き仕様を選ぶと安心です。使用シーンに合わせて選ぶことが失敗しないポイントです。
このように、コルトンフィルムを選ぶ際には、印刷方法・耐久性・設置方法の3点をバランスよく考慮することが大切です。見た目だけでなく、運用面や清掃環境も踏まえて選定することで、長く美しく使えるフィルムを選ぶことができます。
飲食店にLEDパネルが選ばれる理由とは?
飲食店の集客やブランディングにおいて、看板やメニュー表示の「見せ方」は極めて重要です。中でもLEDパネルは、その明るさや視認性の高さから多くの飲食店に選ばれています。このセクションでは、LEDパネルが選ばれる理由について、わかりやすくご紹介します。
遠くからでも目を引く「視認性の高さ」
LEDパネルの最大の特長は、視認性の高さです。日中でも光がはっきり見えるため、外の明るい場所でも訴求力が落ちません。特に通行量の多い道路沿いやカウンター業態の店舗などでは、その効果を実感しやすいです。昼夜問わず安定した明るさを保てるため、開店前から閉店後まで長時間の活用にも適しています。店頭で立ち止まるきっかけになるだけでなく、自然と店内へ誘導する効果も期待できます。
メニューやキャンペーンも自由に差し替え
LEDパネルは中のフィルムを差し替えるだけで簡単に内容変更が可能です。季節限定メニューや期間限定のキャンペーン情報などをスピーディーに告知できるのは、他の看板ではなかなか得られない強みです。また、印刷物のサイズさえ合えば、専門的な知識がなくても扱えるため、現場スタッフでも対応しやすい点も魅力。頻繁に更新が必要な飲食店にとって、コストパフォーマンスの高い選択肢と言えるでしょう。
空間演出にもマッチするスタイリッシュさ
従来のポスターパネルと比べ、LEDパネルは薄型でフラットなデザインが特徴的です。壁掛け型やスタンド型など、店舗の雰囲気やスペースに合わせて選べるため、空間全体の印象を損なうことなく設置できます。とくに高級感のある演出を意識している店舗では、デジタルサイネージに比べてコストを抑えながらも質の高い演出が可能です。視覚的な訴求力と美観を両立させたい店舗にとって、LEDパネルは非常にバランスのよい選択肢となります。
このように、LEDパネルは「目立つ」「差し替えやすい」「美しく見せる」といった多くの利点を持ち、飲食店の販促において非常に高い効果を発揮します。効果的なビジュアル訴求を求める飲食店にとって、LEDパネルは今後も主力ツールであり続けるでしょう。
飲食店での活用事例と導入メリット
LEDパネルとコルトンフィルムの組み合わせは、飲食店においてさまざまな場面で活用されています。視認性と訴求力を兼ね備えたこのツールは、売上アップや店舗イメージの向上にも貢献します。ここでは、実際の導入事例とそのメリットを紹介します。
夜間屋外での訴求力
LEDパネルの最大の利点は昼夜問わず優れた視認性<を発揮できる点です。特に、屋外での使用においては、夜間でも鮮明に表示されるため、通行人の目を引くことができます。照明が少ない夜間でも、明るく目立つため、通行人の足を止めさせる力が強いです。
この特徴は、夜間営業の飲食店や、道行く人々にアピールしたい店舗にとって非常に強力なツールとなります。看板やメニュー表示が光を使って視認性を高めるため、暗くなった後でも集客に貢献します。
メニュー看板としての活用
LEDパネルは、メニュー表示として非常に効果的です。特にカウンター業態では、明るく発光するパネルにコルトンフィルムを組み合わせることで、料理写真を美しく見せることができます。視覚的なインパクトが強く、注文を後押しする効果があるため、つい立ち寄りたくなる店舗演出に役立ちます。また、メニューの差し替えも簡単に行えるため、季節商品や期間限定メニューにも柔軟に対応できます。
店頭POP・キャンペーン訴求として
LEDパネルは、店頭販促にも活用されています。たとえば、期間限定のフェアや新メニューの告知など、一時的な訴求内容でも、高輝度な光で道行く人の目に留まりやすくなります。従来のポスターよりも印象に残りやすく、差し替えも簡単なので、店舗のプロモーション施策を頻繁に展開するお店には最適です。屋外対応の筐体を使用すれば、雨天時でも問題なく運用可能です。
店舗演出としての美観と統一感
LEDパネルは、その薄型で洗練されたデザインにより、店舗の空間演出にも大きく貢献します。壁面やカウンター周りに設置しても圧迫感がなく、店舗の雰囲気や内装と調和しやすいのが特長です。光の演出によって視覚的な印象を高められるため、メニューや販促情報だけでなく、店舗全体のブランディングツールとしても活用できます。
紙ポスターでは表現しきれない立体感や光の広がりを活かすことで、清潔感や高級感のある印象を演出でき、顧客の印象アップにもつながります。飲食店における“見た目の美しさ”は、味やサービスと並んで重要な要素です。
このように、LEDパネルとコルトンフィルムは、飲食店の現場で幅広く活用されており、視覚訴求・柔軟な運用・省エネ性という3つのメリットを兼ね備えています。導入することで、集客力と店舗価値の向上に大きく貢献することが期待できます。
まとめ
LEDパネルとコルトンフィルムは、飲食店にとって視認性・操作性・コスト面で優れた看板ツールです。
呼び方や素材に違いがあるように見えても、実際は機能や構造に大きな差はありません。
選定時は印刷方式や使用環境に応じた仕様を確認することがポイントです。
目的やシーンに合った使い方をすれば、集客やブランディングにも効果が期待できます。
店舗価値の向上を目指す際の参考として、ぜひ導入を検討してみてください。