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印刷業界における組付けとは?

印刷業界における組付け(くみつけ、Imposition / Imposition de pages)とは、印刷物を効率的に製作するために、複数のページやデザインを印刷用の大判用紙上に配置し、適切な順序や位置関係を考慮してレイアウトする工程を指します。組付けは、印刷後の折り加工や裁断を考慮して行われる重要な作業であり、製本工程の正確性と印刷コストの効率化に寄与します。


組付けの歴史と言葉の由来

組付けの概念は、活版印刷が広まった15世紀にまで遡ります。活版印刷では、活字を版面上に並べてページを構成し、印刷後に複数ページを正しい順序で折り、製本する必要がありました。この工程が現代の組付けの基盤となっています。

「組付け」という言葉は、印刷用のを「組み立てて付ける」作業から派生したものです。デジタル印刷技術が発展する中でも、組付けの考え方は受け継がれており、現在ではDTPソフトウェアを使用して効率的に行われています。

組付けの目的と特徴

組付けの主な目的は、印刷後の効率的な加工と、印刷物品質確保です。その特徴を以下に示します。

1. 製本工程を考慮した配置: ページが正しい順序で折りたたまれるように配置します。これにより、完成した印刷物が誤組されるリスクを軽減します。

2. 用紙の節約: 印刷用紙を最大限に活用するため、無駄のない配置を計算します。これにより、印刷コストを削減できます。

3. 高い精度が求められる作業: 組付けのミスは、印刷物全体の品質に直結するため、正確性が重要です。

4. デジタル化の進展: 現在では専用ソフトウェアを使用することで、短時間で高精度な組付けが可能になっています。

組付けの工程

組付けは、以下の手順で行われます。

1. ページ順序の決定: 製本方法や折り加工に応じて、ページの順序を計算します。例えば、中綴じではページが中央に向かって折り重なるため、特殊な配置が必要です。

2. レイアウトの設計: 印刷用紙のサイズや形状、印刷機の仕様に基づき、ページをどのように配置するかを設計します。

3. ソフトウェアでの作業: Adobe InDesignや専用の組付けソフトウェアを使用して、ページのレイアウトをデジタル上で完成させます。

4. テスト出力と調整: 試し刷りを行い、配置が正確であるかを確認します。不具合があれば修正を行います。

印刷業界における組付けの活用例

組付けは、以下のような印刷物の製作に広く活用されています。

1. 書籍や雑誌の印刷: 多ページの印刷物では、製本工程を円滑に進めるために組付けが欠かせません。

2. パンフレットカタログ: 折り加工や綴じ加工を考慮した効率的なレイアウトが必要です。

3. ポスターやチラシ: 大判用紙に複数のデザインを組付けて印刷することで、用紙を節約します。

4. パッケージ印刷: 箱やラベルの形状に合わせて組付けを行い、切り抜き工程を効率化します。

組付けの課題と未来

組付けには以下の課題があります。

1. 高度な知識と技術が必要: 組付けを正確に行うには、印刷工程や製本方法に関する深い理解が必要です。

2. ソフトウェアの操作スキル: 組付けソフトウェアの操作には専門知識が必要であり、習得に時間がかかる場合があります。

3. デジタル化による変化: デジタル印刷が普及する中で、組付けのプロセスが変化しており、従来の技術との統合が課題となっています。

未来においては、AIや自動化技術を活用した組付けの効率化が進むと期待されています。特に、小ロット印刷オンデマンド印刷が増加する中で、迅速かつ正確な組付けが求められています。組付けは、印刷業界の基盤を支える重要な工程として、今後も進化を続けるでしょう。

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