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印刷業界における仕上がり寸法とは?

印刷業界における仕上がり寸法(しあがりすんぽう、Finished Size / Dimensions finales)とは、印刷物が最終的な形状に仕上がった際の完成サイズを指します。製品の形態や使用目的に応じて設計され、パンフレットチラシ、書籍、パッケージなどで重要な基準となります。仕上がり寸法は、デザインや印刷工程全体の設計に影響を与えるため、企画段階での正確な設定が求められます。


仕上がり寸法の歴史と背景

仕上がり寸法という概念は、印刷技術が発展し、多様な印刷物が生産されるようになったことで確立されました。特に書籍やポスターが普及し始めた活版印刷の時代から、印刷物のサイズは用途や保存性、携帯性を考慮して決められるようになりました。

近代では、国際規格であるISO 216(A判・B判規格)が採用され、仕上がり寸法の基準として広く用いられるようになりました。これにより、印刷物の寸法は統一され、製造や流通の効率化が進みました。現在では、用途に応じた自由なサイズ設計も可能ですが、基本的な寸法規格が業界標準として根付いています。


仕上がり寸法の設定と重要性

仕上がり寸法の設定は、印刷物の目的や使用環境を考慮して決定されます。例えば、ポスターやフライヤーは視認性が重視され、大型の寸法が選ばれることが多い一方、書籍や名刺は携帯性や保存性を考慮したサイズが採用されます。

1. 製品の用途: 仕上がり寸法は、印刷物の目的やターゲット層に最適なデザインを実現するための基盤となります。例えば、A4サイズのパンフレットは企業説明資料として一般的です。

2. 印刷工程への影響: 印刷用紙の選定やトリミング作業、折り加工など、仕上がり寸法に基づいた工程設計が必要です。特に、裁ち落とし部分やトンボ(トリムマーク)の設定は寸法設計に密接に関係します。

3. コスト管理: 用紙の効率的な使用はコスト削減に直結します。仕上がり寸法の設定が適切であると、無駄な用紙消費を抑えることが可能です。


仕上がり寸法の現在の使われ方

現代の印刷業界では、仕上がり寸法は印刷デザインの基準として幅広く活用されています。デジタル印刷の普及により、自由なサイズ設計が可能になった一方で、以下のような用途においても重要な役割を果たしています。

1. 広告印刷: ポスターやビルボードのような大型広告は、遠くからでも視認性が高い仕上がり寸法が選ばれます。

2. 書籍や雑誌: 書籍や雑誌の仕上がり寸法は、読みやすさや保存性を重視して決定されます。特にB5判やA5判は、日本国内で広く採用されています。

3. パッケージング: 商品を保護しつつ、ブランドイメージを伝えるために、仕上がり寸法がデザインとともに重要な要素となります。


仕上がり寸法の課題と未来展望

仕上がり寸法には多くの利点がありますが、以下のような課題も存在します。

1. 環境への配慮: 用紙の無駄を削減するために、寸法設計の最適化が求められています。特にエコデザインの観点から、再生紙の利用や裁ち落とし部分の削減が進められています。

2. デジタル対応: デジタル媒体の普及により、従来の印刷物の役割が変化しています。これに伴い、仕上がり寸法の設計にも新しい基準やアイデアが必要です。

未来の仕上がり寸法の設計は、環境負荷の軽減や個別化されたデザイン需要に対応する方向へ進化するでしょう。例えば、AIを活用した自動レイアウトや、AR技術と連携した印刷物のサイズ設計が期待されています。また、グローバル化が進む中で、各国の規格や文化的ニーズを考慮した寸法設計が求められる場面も増えると考えられます。

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