紙貼りスチレンパネルと通常のスチレンパネルの違い
スーパーや商業施設で、販促POPやキャンペーンの大型ボードを見たことはあるでしょうか。人目を引き、デザインもさまざまなパネルは、一般的に「スチレンパネル」と呼ばれています。
お馴染みの販促PRグッズとして頻繁に目にするスチレンパネルですが、企業や個人経営の店舗といったビジネスシーンにおいて、今では欠かせない広告ツールとなっています。とくに両面から紙貼り加工のされた「紙貼りスチレンパネル」は、その使い勝手の良さと手頃な価格から人気のあるパネルの1つです。
この記事では、スチレンパネルを使った広告を作成したい方、また、種類の違いがよくわからない方に、スチレンパネルの仕様や機能、メリット・デメリット、印刷業者に発注する際のポイントなどをまとめていきます。
■通常のスチレンパネルとは
通常のスチレンパネルとは、表面加工がされていないスチレンパネルです。加工がまったくなく素地が見えるため、「素板」とも呼ばれます。模型作成の材料となったり、糊付けした別の資材を張り付けて使用することが多いです。
スチレンパネルとは、高密度の発泡ポリスチレン素材の板状パネルのことです。軽量で柔軟性があり、加工がしやすいという特徴があります。断面の美しさもポイントのひとつといえるでしょう。
スチレンパネルは、POPや店頭広告、サインボード、ショーウィンドウ、学会や展示会の説明パネルなど、多岐に渡る用途で利用されています。
建築、商業施設、工場、家庭など、使われる場面がとても多いことが挙げられます。耐久性も高く、長期間にわたって使用することができるアイテムです。
■紙貼りスチレンパネルとは
紙貼りスチレンパネルとは、スチレンパネルの両面に紙を貼り合わせたパネルのことを指します。このパネルは、スチレンパネルの軽量性と紙の質感・強度を組み合わせた製品で、発表会や展示会などのイベント用の装飾、またポスターやフライヤー、POPなどとして利用されます。
通常のスチレンパネルと同様に、軽くて設置や移動がしやすいこと、カッターナイフなどで形状を自由に加工できること、打ち抜き加工が美しいことなどがメリットとして挙げられるでしょう。こちらでは、紙貼りスチレンパネルの機能や性能について紹介します。
▶特徴①きれいに印刷が可能
紙貼りスチレンパネルは、パネル表面に紙が貼り合わせてあるタイプのパネルです。そのため、スクリーン印刷などの印刷加工に適しています。凹凸のない滑らかな表面に印刷することができるので、きれいな発色で視認性の高いポスターやフライヤーなどを製作することが可能です。
紙貼りスチレンパネルは看板用途としても使われることが多く、店舗のPOPや商業施設などでの販促PRのパネルとして利用されています。
▶特徴②価格が安い
紙貼りスチレンパネルの価格は、他の種類のスチレンパネルと比べ安価であるといわれます。パネルを両面から紙で挟んだ紙貼りスチレンパネルは、スチレンパネルの中でもオーソドックスな仕様のものです。そのため、制作プロセスがシンプルで、資材のコストがかからないことが安価である理由です。強度の耐水機能は備えていないため、屋内利用が推奨されますが、手頃で使い勝手のよいパネルであるといえます。
製造工程、サイズ、質感などによって価格は異なるので、紙貼りスチレンパネルの注文の際には見積もりを取るなどして価格を検討することがおすすめです。
▶特徴③紙質を選ぶことが出来る
紙貼りスチレンパネルに使うことのできる紙質は多種多様です。主な紙質の種類として、上質紙や、特殊紙、耐水性のある紙質のものなどを選ぶことができます。スチレンパネルは使い勝手がよく汎用性が高くある一方、周りと同じような見た目にならないよう、パネルを差別化する必要があります。
その点、紙質の選び方次第で、手軽にオリジナリティを出すことができるのは、とても便利だといえるでしょう。
一般的な上質紙から、紙の値段が高い特殊紙、耐水紙まで、利用者のニーズによってカスタマイズすることができます。
▶特徴④ペンで後から書き込みが可能
印刷適性の高い紙貼りスチレンパネルは、美しい印刷はもちろんのこと、仕上がったパネルに対してマーキングやペイントなどの書き込みが可能です。必要に応じて柔軟に情報の追加や修正などができるので、とても使い勝手のよいアイテムだといえるでしょう。
印刷されたものに後から手描きを加えることで、独創性の高いデザインパネルに仕上げることができます。アイキャッチ効果の高いPOPや店頭広告としての用途など、幅広い用途で使うことができます。ポスターカラーやマーカー、パステルなど書き込む画材を選ばず、消しゴムの使用ができ、書き直しのしやすさにも定評があります。
■紙貼りスチレンパネルの種類
紙貼りスチレンパネルには、さまざまな種類の用紙を選ぶことができます。パネルによってどのような印象を与えるかは、パネルのデザインはもちろんのこと、素材となる紙質選びによっても決まります。
用紙の質や機能によって、制作コストは変わってきます。使用する用紙のメリット・デメリットを知り、ニーズや用途に応じてふさわしい用紙を選ぶことが大切です。
▶上質紙
上質紙は用紙の中でも見ることの多い、もっともポピュラーな紙です。表面に塗料が塗られておらず、光沢やツヤの少ない落ち着いた雰囲気が特徴であり、印刷物や文具、レター紙などに用いられています。化学パルプ100%で作られており、筆記性が高いので、ノートやメモ帳などにも使われています。
上質紙は、印刷用紙のなかでとくに安価な用紙の1つです。入手もしやすいため、コスト重視の紙貼りスチレンパネルの制作に最適であるといえるでしょう。温度や湿度によって起こるパネルの反りへの強化や、屋外にて使用する際の耐水性は備わっていないので、屋内での利用が望ましいです。
▶特殊紙
特殊紙とは、表面加工のされていない、さまざまな色や風合い、機能を備えた紙のことです。
ラメを散りばめたものや、ツヤ感と光沢感があり高級感を演出できるもの、羊皮紙の風合いでインパクトのものなどが挙げられます。このように種類の豊富な特殊紙は、効果的にパネルに使用することで、パネルを見た人にしっかりと印象を残すことができます。独創性のある特殊紙を使用したパネルは、ビジネスにおけるブランディングや差別化にも用いられることの多いアイテムです。
特殊紙を使用する際に気を付けたい点は、価格が高くなることです。用紙の値段はもちろんのこと、特殊紙への印刷は通常とは異なる特別な印刷機が必要となるため、一般的な上質紙と比べてトータルでの費用がかかります。
▶特殊耐水紙
通常、一般的な上質紙を使用した紙貼りスチレンパネルは、屋外での耐性がないとされています。表面の加工やコーティングがない紙質のため、湿度や水分に用紙が負けてしまうことが理由です。その弱点を補ったものが、特殊耐水紙です。素板であるスチレンボードを耐水性のある紙で挟むことで、水分に強く、湿気や湿度の影響を受けにくいパネルとなっています。
防水性に優れているため、浴室やキッチン、倉庫や地下室などの湿気の多い場所での使用や保管ができることに加え、屋外での使用も可能です。パネル自体の耐久性も、通常の紙貼りスチレンパネルと比べて格段に高くなります。初期費用は通常の紙貼りスチレンパネルよりもかさみますが、コストパフォーマンスが非常に高いことがメリットとして挙げられます。
■基本的には紙貼りスチレンパネルがおすすめ
紙貼りスチレンパネルは、軽さや加工のしやすさ、印刷適性といった利便性、価格の安さ、業者への依頼のしやすさといった点でおすすめのパネルです。紙貼りスチレンパネルの強みを説明していきます。
▶その他の特殊スチレンパネルより安い
一般的に、紙貼りスチレンパネルは、数あるスチレンパネルの中でもっとも安いといわれます。スチレンパネルにはカラータイプ、防水・防炎タイプ、反り対策タイプなどいろいろな種類のものが存在しますが、一番ポピュラーなパネルの1つが紙貼りスチレンパネルといえるでしょう。その理由としては、以下のものが挙げられます。
・材料のコストが安いこと
・手作業でも作成することができ、生産プロセスが効率的であること
・一般的な紙貼りスチレンパネルに使用される上質紙が安価であること
これらの理由から、紙貼りスチレンパネルは総じて価格が安いといえます。コスト重視の方や、長期にわたる使用の予定がなく、短期間、あるいは一度のみ使用のパネルを探している方には、紙貼りスチレンパネルがおすすめです。
▶制作可能な業者が多い
紙貼りスチレンパネルは、パネル業界の中でもとくに流通量が多く、目にする割合が高いパネルです。そのため、ほとんどの業者が取り扱っているアイテムであるといえます。特別な仕様のパネルには発注先を探す必要がありますが、紙貼りスチレンパネルにはその必要がありません。
制作可能な業者が多いため、即日納品やボリュームディスカウントなど、目的に応じて業者の使い分けをするのがよいでしょう。
▶紙に印刷するため出来上がりが美しい
紙貼りスチレンパネルは、発泡パネルの両面から紙を貼り付けたパネルです。紙表面に印刷することができるので、デザインや色彩を鮮やかに美しく再現することができます。細かい線や発色が出やすく、見栄えを保ち、パネルにより装飾的な効果を与えることができます。印刷に適したパネルであることは、紙貼りスチレンパネルが人気である理由の1つです。
看板用途として使われることも多い紙貼りスチレンパネルは、販促やキャンペーンのPR用途、ポスターやフライヤーといった目的で活用されています。
■屋外使用なら通常のスチレンパネル
メリットの多い紙貼りスチレンパネルですが、屋外使用にはおすすめできません。それは、紙が湿度や温度といった外的要因によって劣化してしまうためです。原因としては以下のものがあります。
・雨や湿気などの水に弱い
・日差しや風、湿気などの影響を受けやすい
・温度(とくに高温)に弱い
紙貼りスチレンパネルを長期的に屋外環境に露出させた場合、耐水性や耐久性、耐腐食性がないために、短期間で劣化する原因となります。特殊加工のない一般的な紙貼りのスチレンパネルは、室内環境での使用をおすすめします。屋外環境で使用する場合は、耐久性の高い用紙、あるいは別の素材を用いたパネルを使用することが望ましいです。
■印刷業者選びのポイント
印刷に適した紙貼りスチレンパネルは、専門の印刷業者に頼むこともできます。
プロに発注することで、より出来映えのよいパネルを制作することができるでしょう。
こちらでは、印刷業者選びの際に確認すべきポイントを解説します。
▶制作費用
紙貼りスチレンパネルを印刷業者に発注する場合、業者が提供する価格を確認しましょう。高品質で迅速な製品を提供する印刷業者であっても、周りの業者と比較して過剰に高い価格を提示している場合もあります。紙貼りスチレンパネルを取り扱う印刷業者は世の中に多数あります。発注の際には、印刷サービスの質や納品までの所要日もしっかりと確認しましょう。
また、製品の即日対応が可能か、まとめて発注した際のボリュームディスカウントは行っているかなど、必要に応じた条件で価格の検討をするとよいでしょう。
▶選べる紙質の種類
紙貼りスチレンパネルを業者に発注するときは、使用可能な紙質を確認することも大切です。オーソドックスな上質紙以外の用紙を使用したパネルの場合、特殊紙への印刷に対応した特別な印刷機が必要になります。発注を検討している業者が特殊紙への対応をしているか、見積りの段階に入る前に、しっかりと確かめましょう。
また、特殊紙を使用した場合、用紙・印刷費ともに上質紙に比べてコストがかさみます。発注可能な業者をリストアップがしたら、価格面からの検討も行うとよいでしょう。
▶最低ロット数
注文可能なロット数は、印刷業者によって異なります。1枚から制作を請け負っている業者もあれば、数十枚単位での受注のみ可能な業者まで、最低ロット数は業者によってさまざまです。とくに少ないポーションでの制作を考えている場合、業者の最低ロット数を確認しましょう。
また、大量ロットでの注文では、ボリュームディスカウントが可能なこともあります。納品までのサービス提供の速さ、ロット数、価格といったさまざまな面で条件にあった印刷業者を選ぶようにしましょう。
■まとめ
スチレンパネルはビジネスの広告ツールとして、また展示会の説明パネルとして、幅広い場面で利用されるアイテムです。
中でも紙貼りスチレンパネルは、価格の安さ、印刷への適性、書き込みが可能であること、発注できる業者の多さといった理由から、とくに人気のパネルです。企業や個人のビジネスシーンにおいて、手軽に利用できる広告アイテムであるといえるでしょう。プロに依頼するハードルも低いため、印刷業者に発注をして高い仕上がりの紙貼りスチレンパネルを制作することもおすすめです。紙貼りスチレンパネルを効果的に利用して、ぜひ訴求力のある広告ツールを取り入れてみてください。
ポスター印刷のご注文・お見積もり(無料)
ご相談は24時間いつでもOK
お電話でのお問合せ
0800-91-91-910
エリア
直 通
- (東京)
- 03-3974-8220
- (大阪)
- 06-6533-7188
メールでのお問合せ
visipri@visia.co.jp