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卒業証書の歴史と仕様:ワニ柄筒の由来、一般的なサイズやを用紙の種類を解説

卒業証書は「修了の証明」であると同時に、歴史や式典文化の中で磨かれてきた形式を持つ特別な文書です。

本記事では、起源や賞状筒・ワニ柄の由来から、一般的なサイズ、用紙の選び方、枠や箔押しの見栄え、文面ルールまでを順に解説します。

定番仕様の理由を知ることで、卒業証書を「なんとなく」の理解から一歩進め、制作や発注の判断にも役立てられます。

※ビジプリの表彰状では箔押し加工をお選びいただけません。また、鳳凰枠のテンプレートデータは「雲ありのみ」のご用意となります。





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卒業証書とは?歴史/賞状筒とワニ柄の話/意外と知らない周辺豆知識

卒業証書とワニ柄の筒

卒業証書は、学校で定められた課程を修了したことを示す公式文書で、式典の中でも「節目」を象徴する存在です。

日本では近代教育制度の整備とともに形が整い、紙の選び方や書きぶり、渡し方まで、学校文化の中で定番が受け継がれてきました。

このセクションでは、日本の卒業証書がどのように成立し、なぜ今のような賞状形式になったのかをたどりつつ、賞状筒ワニ柄が定着した背景、思わず人に話したくなる周辺豆知識まで紹介します。

日本の歴史を押さえると、卒業証書の見え方が少し変わってきます。



日本の卒業証書はいつから広まった?

日本の卒業証書は、明治期に近代的な学校制度が整えられたことを背景に普及しました。学制の導入以降、修了・卒業を公的に証明する書面が必要となり、学校が発行する証書として定着していきます。

初期は現在ほど装飾性が高いものばかりではありませんでしたが、教育が社会的に重視されるにつれ、体裁や格式が整えられ、賞状に近い形式へと寄っていきました。



賞状形式が「式典向き」になった理由

卒業証書は本来公的な証書として始まりましたが、賞状形式として定着したのは、式典での授与に適した視認性と儀式性が重視されるようになったからと言われています。

枠や余白を設け、縦書きで整えたレイアウトは、壇上で手渡されても見栄えが良く、受け取る側にも達成の実感を与えます。

内容が同じでも、体裁が整うことで「正式な証明書」としての説得力が高まり、学校ごとの伝統として継承されていきました。

卒業証書が今のような賞状形式になったのは儀式性と式典性の重要視が背景といえます。



賞状筒が使われるようになった背景

今や卒業証書の授与でおなじみの筒状の入れ物ですが、正式名称は「賞状筒」と言います。

賞状筒は、証書を折らずに持ち帰るための実用品として広まったと考えられています。明治、大正、昭和の中期までは卒業証書を縦長の四つ折りにして「免状」と書かれた掛け紙を使用してそのまま手渡していました。

しかし、昭和中期に差し掛かると卒業証書を丸めてリボンで止める形式に変化し、ほどなくして賞状筒が使用されるようになりました。

賞状筒が広まったことで、卒業証書の折れや汚れを防ぎやすくなり、式典後の持ち運びでも扱いやすくなりました。

また、賞状筒は、受け取った賞状を入れて持ち運ぶことで卒業式の印象を強め、節目の演出としても機能しています。近年はホルダー形式も増えていますが、筒は今も「卒業式らしさ」を支える定番アイテムです。



ワニ柄はいつから?なぜ定番になった?

ワニ柄(クロコ調)の筒が定番化した背景には、昭和中期の当時、賞状筒を制作していた製作所が「飽きの来ない柄」として選んだことがきっかけで、今もなお広く親しまれる定番のデザインとなったようです。

耐久性と高級感を視覚的に伝えるだけでなく、昭和後期から平成にかけて、合皮素材に型押しで模様を付ける加工が広まり、革のような重厚感を低コストで表現できるようになったことも要因の一つです。

その中でもワニ柄は昭和中期に「格式」「おしゃれ」「丈夫さ」のイメージが強く、式典用として最適な柄のひとつでした。

表面の凹凸は傷が目立ちにくく、長い年月を経ても色褪せません。手触りでも“それらしさ”が出るため、学校や販売側にとっても扱いやすい定番として定着していきました。



知っておくと便利な周辺豆知識

卒業証書の文面を眺めてみると、豪華な枠のデザインや筆文字の厳粛な雰囲気が、いかにも卒業証書だというような雰囲気を感じさせます。しかし、卒業証書のみならず、証書の証書らしさにはそれ以外にも別の理由があるのをご存じでしょうか。

それは、卒業証書をはじめとした一般的な証書では、文章中に句読点を付けない表記が用いられている、という点です。

句読点は「区切り」や「終わり」を意味するため、相応しくないとされているだけでなく、文章の読みやすさを補う役割の句読点を使用することは「教養がある相手に対して失礼である」からと考えられています。また、文章のはじめを一文字下げる「字下げ」も行われないのも特徴です。

確かに一般的な賞状をみると句読点や字下げは使用されておらず、区切りにはスペースが用いられるなどの一般的な文章との違いがみられます。

私たちが賞状や証書を見た時に感じる「賞状らしさ」は豪華な鳳凰柄の枠や筆文字などのデザインだけでなく、意外なことに、文章形式にも大きな理由があったのです。



日本の卒業証書は、明治以降の教育制度とともに形が整い、式典にふさわしい賞状形式として受け継がれてきました。

賞状筒は実用性と演出性の両面から定番となり、ワニ柄も型押し加工の普及と「格式を感じさせる見た目」によって広く採用されてきた背景があります。由来を知ることで、卒業証書の一つひとつの仕様に納得感が生まれます。



ポイント: 卒業証書の成り立ちと賞状筒の背景

  • 日本で広まった時期 明治期の学制に伴い、公的な修了証明として普及。
  • 賞状筒の変化と役割 「四つ折り手渡し→丸めてリボン→賞状筒」のように変化。証書の保護と式典の演出として定着。
  • 筒がワニ柄になった時期と理由 昭和中期に賞状筒が広まり、程なくして今のワニ柄に。筒の製作所が目指した「飽きの来ないおしゃれなデザイン」が理由。


卒業証書の一般的なサイズ(用紙寸法・縦横・学校でよくある規格)

卒業証書を持つ女性

卒業証書は全国共通の厳密な規格があるわけではありませんが、多くの学校で長年使われてきた「一般的なサイズ」が存在します。サイズは見た目の印象だけでなく、文面の配置や筒・ホルダーとの相性にも関わる重要な要素です。

このセクションでは、卒業証書でよく使われる用紙寸法や縦横の考え方、学校現場で採用されやすい規格について整理します。一般的なサイズを知っておくことで、制作や発注時の判断がしやすくなります。



卒業証書でよく使われる用紙寸法

卒業証書のサイズとして多く見られるのは、B3・B4やA3・A4サイズです。現在では少なくなりましたが、元々はA判B判のワイドサイズが多く使用されていました。

2000年代頃からは卒業証書を賞状筒に入れて手渡すよりもホルダーに入れて手渡すことが一般的になり、ワイドサイズではなく、ホルダーに入れることのできる通常のA判サイズやB判サイズが選ばれるのが一般的です。

格式の高い伝統校や、学校によっては今でも独自寸法を採用されていますが、筒やファイルとの互換性を考えると、定番サイズを選ぶケースが多いと言えるでしょう。



縦書き・横書きとサイズの関係

卒業証書には縦長と横長の形式の両方が存在していますが、それぞれの形式にはレイアウトの特徴があります。

一般的には文字を横書きする場合は縦長の用紙、文字を縦書きにする場合は横長の用紙が使用されます。

日本では古くから横長の用紙に縦書きのデザインが使用されてきましたが、近年では横書きの方が好まれる場合も多く、縦長の用紙に文字を横書きすることでバランスを取る形式が一般的になっています。

証書の中には横長の用紙に横書きするレイアウトも存在しますが、一方で縦長の用紙に縦書きを使用されることは殆どなくあまり一般的ではありません。

縦長の用紙に縦書きのレイアウトを行う場合、枠のデザインや句読点が使用できない形式上バランスが非常に取りにくく、特段理由がなければ避ける方が無難でしょう。



学校現場でよく採用される規格

小学校から大学までの学校ではA4サイズが最も多く採用されています。次いでA3やB4などが選ばれており、ワイドサイズなどは比較的少数の採用となっています。

A4サイズは大き過ぎず、ホルダー式を採用する場合でもカバンにも入りやすいのが特徴です。B判ではA4サイズとA3サイズのちょうど中間にあたるB4も多く採用されています。

多くの学校の場合では、過去の実績を踏まえて同じ規格を使い続けています。これは式典運営や保管面での扱いやすさを重視しているためです。

使用する用紙のサイズ変更は、近年おなじみの証書ホルダーや証書筒の高さなどサイズに合わせて変更が必要になるものが多く、新しいサイズへの変更は慎重になります。



サイズ選びで注意したいポイント

サイズを選ぶ際は、見栄えだけでなく、筒やホルダーへの収納、保管時のスペースも考慮する必要があります。

大きすぎると扱いにくく、小さすぎると証書としての重みが損なわれがちです。

印刷時の余白設計や枠デザインとの相性も含め、全体バランスを意識して選ぶことで失敗を防げます。

目安としてはA4が最も一般的なサイズ、B4がやや大きめのサイズ、A3がかなり大きめのサイズと覚えておきましょう。



卒業証書のサイズには長年培われた「ちょうどよさ」があり、学校文化や実用性と深く結びついています。一般的な規格を理解したうえで選ぶことで、見た目にも運用面にも無理のない卒業証書を用意することができます。



ポイント: 卒業証書の一般的なサイズと規格

  • 全国共通規格はない 厳密な統一規格はないが、長年使われてきた一般的なサイズが存在。
  • よく使われる用紙サイズ A4が最も一般的。次いでA3やB4が多く、ワイドサイズは近年減少。
  • ホルダー普及による変化 筒からホルダーへの移行により、A判・B判の標準サイズが主流に。


卒業証書でよく使われる用紙(厚み・風合い・保存性の考え方)

卒業証書の紙質

卒業証書は長く手元に残る大切な書類であるため、用紙選びは見た目以上に重要な要素です。厚みや手触りによって受け取ったときの印象が変わるだけでなく、時間が経った後の保存状態にも大きく影響します。

このセクションでは、卒業証書でよく使われる用紙の特徴を、厚み・風合い・保存性という観点から整理します。用紙選びの考え方を知ることで、目的に合った仕様を選びやすくなります。



卒業証書に求められる用紙の基本条件

卒業証書の用紙には、一般的な印刷物よりもしっかりとした厚みと、格式を感じさせる質感が求められます。

薄すぎる紙は頼りなく見え、反対に厚すぎると筒やホルダーに収まりにくくなるため、バランスが重要です。

そのため多くの学校では、賞状専用紙や高級印刷紙が使われており、適度な厚みと実用性が両立されています。



実際によく使われる用紙の例

用紙選びで迷ったときは、実績のある用紙の種類を基準に考えるとスムーズです。

例えば、しこくてんれい紙(和風模様)は、紙面に和の表情があり、式典らしい雰囲気や特別感を演出しやすいのでおすすめです。

マシュマロCoCホワイト紙は、白さが際立ち文字がくっきり映えるため、格式感を出したい卒業証書に向いています。

マシュマロCoCナチュラル紙は、やや温かみのある色味で、柔らかく上品な印象に仕上げたい場合に相性が良いです。

このように紙の個性を理解して選ぶと、完成イメージがぶれにくくなります。



厚みが与える印象と扱いやすさ

用紙の厚みは、受け取った瞬間の印象を大きく左右します。ある程度の厚みがあることで、重みと信頼感が生まれ、卒業証書としての格が保たれます。

一方で、過度に厚い紙は丸めにくく、筒に入れる際に負担がかかることもあります。用紙の種類にも左右されますが、しこくてんれい紙では180kg、マシュマロCoCでは200kg程度の厚みがおすすめです。

卒業証書の厚みは手触りの印象だけでなく、扱いやすさの両立も重要なポイントです。



風合いと紙質の違い

卒業証書では、表面にわずかな凹凸のある紙や、和紙調の風合いを持つ用紙が選ばれることが多くあります。こうした紙は、落ち着いた高級感を演出し、枠や文字の装飾とも相性が良いのが特徴です。

その他にも、光沢を抑えたマットな紙質が主流な理由としては、光沢のある用紙使用すると照明などの強い式典の環境下ではチープに見えることや、受け取ったときの手触りの違いがあります。

卒業証書の紙質を選ぶ際は式典に適した用紙の選択が基本といえます。



長期保存を考えた用紙選び

卒業証書は何年、何十年と保管されることが多いため、保存性も重要です。酸性紙は経年劣化しやすいため、比較的劣化しにくい紙が好まれます。

また、長期に渡って保管されることが一般的な卒業証書では、ややクリーム色寄りの用紙が選ばれることが多く、純粋な白の用紙よりも色褪せや変色が目立ちにくいためオススメです。



卒業証書の用紙は、厚み・風合い・保存性のバランスによって、その価値が支えられています。見た目の好みだけでなく、長期保管まで見据えて選ぶことで、思い出としてふさわしい一枚に仕上げることができます。



枠デザインと箔押し(見栄えの違い、押さえるべき定番パターン)

箔押し加工のイメージ

卒業証書の印象を大きく左右する要素の一つが、枠デザインと箔押し加工です。文字そのものは同じでも、枠の有無や装飾の仕方によって、格式や重みの感じ方は大きく変わります。

学校で長年使われてきた定番パターンには理由があり、視認性や儀式性、保存性を踏まえて選ばれています。

このセクションでは、卒業証書でよく見られる枠デザインと箔押しの基本を整理し、定番仕様として押さえておきたいポイントを解説します。



卒業証書における枠デザインの役割

枠デザインは、卒業証書全体を引き締める役割を担っています。用紙の余白を明確に区切ることで、文面が読みやすくなり、公式文書としての体裁が整います。

枠があることで視線が内側に集まり、中央の学校名や氏名が自然と目に入る構成になります。

何より私たちが普段目にする証書や賞状には鳳凰柄などの豪華な枠が設けられている場合が殆どで、証書にとって枠はイメージを大きく左右するポイントです。

卒業証書の枠の効果は見た目以上に大きい要素なため、慎重に選びましょう。



定番の鳳凰(ほうおう)枠と雲龍(うんりゅう)の有無

雲竜の位置を示す写真

卒業証書で多く採用されている定番デザインが、鳳凰枠です。式典やお祝いの場にふさわしい華やかさがあり、卒業という節目を象徴的に演出できます。

上部の左右にに鳳凰が描かれていることが多く、学校名や文面を引き立てながら、全体に「正式な証書らしさ」を与えるのが特長です。

また、鳳凰枠の中でも意匠の違いとしてよく話題になるのが、枠の上部中心に入る装飾模様である雲龍(うんりゅう)の有無です。

ちょうど鳳凰の間に挟まれる形で存在するこの箇所には学校の意匠などが入れられることも多いため、意匠を入れたい場合は「雲なし」、意匠を入れない場合は「雲あり」で使用されるのが一般的です。


箔押し加工の基礎知識

箔押しは、金や銀などの箔を凸板を使用して圧力で紙に転写する加工方法です。卒業証書では、枠や装飾、一部の文字に使われることが多く、格式と特別感を演出します。

印刷とは異なり光の当たり方で表情が変わるだけでなく、独特の手触りがあり、式典の場でも存在感を放ちます。

箔押しは卒業証書らしさを象徴する加工ですが、近年では加工ができない場合や大量数必要な場合、箔押しが使用されないことも多く、ベージュに近いカラーで印刷することで代用する方法も一般的になっています。



箔押しの色と使い分け

箔押し加工で最も一般的なのは金箔で、伝統的かつ正式な印象を与える儀式性と品位を重視した選択です。

基本的には枠や意匠に使用されることが多く、最終的な卒業証書の装飾性を大きく左右する要素の一つと言えます。

鳳凰枠全体に箔押し加工を行う方法も一般的ですが、雲竜なしの鳳凰枠を使用して意匠のみに箔押し加工を施す方法を使用して、あえて意匠の存在感を引き立たせるデザインも人気です。

意匠に箔を使用する場合鳳凰柄にも箔押し加工を施すと、鳳凰柄の複雑なデザインの中で埋もれて一体化してしまうことが多く、あえて意匠のみに加工を施す場合も多いのです。



枠デザインと箔押しは、卒業証書を「ただの印刷物」ではなく、節目を象徴する証書へと引き上げる重要な要素です。定番パターンを押さえたうえで選ぶことで、見栄えと品格のバランスが取れた一枚に仕上がります。



ポイント: 枠デザインと箔押しの定番と見栄え

  • 定番の鳳凰枠 鳳凰(ほうおう)柄であしらった華やかさと格式を備え、卒業という節目を象徴する代表的デザイン。
  • 雲龍(うんりゅう)雲あり・なしの違い 鳳凰枠の上部中央の雲のデザイン。校章などを入れる場合は雲なしが一般的。
  • 箔押し加工とは? 金銀箔を圧着し、光沢と立体感で特別感と儀式性を演出。
  • 箔押しの使い分け 枠全体か意匠のみかで印象が変化。意匠のみ加工し存在感を強める手法も定番。


一般的な文面のルール(名前の扱い、表記、日付、肩書き、注意点)

卒業証書の文面

卒業証書は公式な証明書として扱われるため、文面には一定のルールや慣習があります。装飾や用紙と比べると地味に見えますが、文面の正確さや整い方は証書全体の信頼性に直結します。

このセクションでは、名前の書き方や表記の基本、日付や肩書きの扱いなど、卒業証書でよく用いられる文面ルールを整理します。文面ルールを理解しておくことで、制作時のミスや違和感を防ぐことができます。



氏名の表記の考え方

卒業証書において最も重要なのが氏名です。一般的にはフルネームを正式表記で記載し、卒業する学生の本名が旧字体であれば旧字体など、正確な漢字の表記を使用することが求められます。

特に一生の思い出に残る数年間の締めくくりである卒業式で手渡される卒業証書においては、受け取る側には特別な思いがあるという事を理解しておくことが重要です。

普段の些細な書類の表記であれば訂正を妥協する人でも、卒業証書ともなれば話は別であると考えるのが妥当です。

実際に氏名の表記によってトラブルとなる事も多く、表記に関する不明点が出た場合は早い段階で確認や了承を取っておくことで未然にトラブルを防ぎましょう。

長い学校生活の最後の思い出が卒業証書の表記違いとなっては台無しです。

卒業証書の氏名表記はトラブルも起こりやすいという点を押さえておき、原稿確認は特に慎重に行いましょう。卒業証書において氏名は最重要といえる項目です。



本文の定型表現と文章構成

卒業証書の本文には、一定の定型表現が用いられます。卒業証書では、「所定の課程を修了したことを証する」といった文言が代表例で、簡潔かつ公的な表現が基本です。

感情的な言葉や個人的なメッセージは含めず、事実のみを端的に記載するのが一般的なルールです。一見すると堅苦しく冷たいように感じてしましますが、卒業証書は儀礼的かつ公的な証書としての形式を重んじる「式典に相応しい内容」である必要があります。

このような正式な証書には感情や個人のメッセージはかえって不安定性を与える要素となるため、簡潔な表現が行われるという点に注意しておきましょう。

卒業証書が一定の種類の定型文で構成されるのにもきちんと理由があるのです。



日付の表記方法と注意点

日付は卒業を正式に認定した日を示す重要な要素です。和暦を用いる学校が多く、「令和◯年◯月◯日」と記載されるのが一般的です。

式典当日と同一日付にすることが一般的で、誤りがあると訂正が難しいため、最終確認は必ず行いましょう。日付厳守が基本です。



意外と知られていない卒業証書の「通し番号」

卒業証書の表記には、「第〇〇〇〇号」のような番号が記載されています。

この番号は一般的には「通し番号」と呼ばれており、卒業者が何番目に卒業したかを表す数字となっています。

そのため、この番号には重複は存在しないだけでなく、前年度より小さい数になる事も基本的にはありません。

また、通し番号は「卒業台帳」と呼ばれる卒業生の氏名、生年月日、住所などを記録する資料に記録され、「その卒業生が間違いなく、何番目にその学校を卒業した」という記録として機能しています。

この番号に齟齬があると記録が曖昧となり記録性が失われてしまうため、表記の管理はしっかりと行っておく必要があります。



卒業証書の文面は、派手さはなくとも細かな配慮と正式な記録の積み重ねで成り立っています。氏名や日付、通し番号といった基本ルールを押さえることで、正式な証書としてふさわしい一枚に仕上げることができます。



まとめ

卒業証書は、修了の事実を示すだけでなく、教育の歴史や式典文化の中で受け継がれてきた形式を備えた特別な文書です。

起源や賞状筒・ワニ柄の由来を知ることで、なぜ現在の形が定番として定着しているのかが見えてきます。

また、一般的なサイズや用紙の厚み・風合い、枠や箔押しといった仕様は、見栄えと実用性の両面から選ばれてきたものです。

文面についても、氏名や日付、通し番号などに明確なルールがあり、正確さが証書の信頼性を支えています。

卒業証書の背景や定番仕様を理解することで、一枚の証書に込められた意味や価値を、より深く感じ取れるようになるでしょう。





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