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ターポリンとは?どんな素材が使われているの?特徴と弱点まで詳しく解説!


「イベントに使う幕のようなものが必要で困っている」
「調べてみるとターポリンがよく使われると出てくるけどイマイチよくわからない」

こんな悩みをお持ちではありませんか?ターポリンとは何なのか、何でできていて、どんな種類があって、さらに長所と短所までわかるように詳しく解説していきます。

この記事を読めば、ターポリンの全容が明らかになります。是非、ベストなターポリン選びの参考にしてみてください。

■「ターポリン」はどんな生地?


ターポリンの歴史

もともとターポリン(英語:tarpaulin)とは1950年代のドイツが発祥で、船上の帆のことを指していました。
タールエポキシ樹脂を塗ったシートだったり、綿と麻を等分に配合した生地など防水性や耐久性を高くしたものでした。これが軍隊のテント、運搬カバー、パラシュートに使用され、日常でも応用されるようになりました。
1990年代、タールの成分が健康被害を及ぼすとの観点から徐々に採用されなくなり、2009年4月にJIS規格(日本工業規格)が廃止を決定しました。それ以前に、1920年代後半に入ると塩化ビニールが、1970年代に入ると日本で初めてポリエステル繊維の開発に成功しています。

以上のことから、より生産性の良いコストパフォーマンスの高い材料で代替されていったのが現代のターポリンの姿です。

塩化ビニール樹脂とは?

塩ビやポリ塩ビ(PVC)と呼ばれます。原料は簡単に言えば塩と原油です。原料の割合としては天然塩由来の塩素6割、石油系4割です。
専門的には「天然塩をナトリウムと塩素に電気分解したことによる副生物の塩素」と「原油を蒸留してナフサを取り出し、それを熱分解したことで得られるエチレン」を使います。
現代ではエコ性の面から、石油系の割合を減らしています。ひと昔前まではリサイクル性が問題になったこともありましたが、現代では技術の進歩により分解精度が上がり、リサイクル性が向上しています。 塩化ビニールは主に軟質と硬質に分かれています。

ターポリンの特徴

ターポリンが屋外環境に強いのにはそれなりの理由があります。超重要ポイントは表層の塩ビ樹脂です。実はこの塩ビ樹脂のメリットをいかんなく発揮しているターポリンの特徴をひとつずつ解説します。

防水性

表面の塩ビ樹脂素材は布系の樹脂素材に比べ、分子構造の結びつきが強く密な物質であるため、水分が通る隙間が少ないのです。したがって防水性能が高くなっています。

素材:吸水率を下記にてご確認ください。
・ポリプロピレン:0.01%
・ポリエチレン:0.01%
・塩ビ:0.07%
・ナイロン系:1.00%以上
防水性を活かした身近なものにはビニール傘や合羽があります。
また、建物の屋上やバルコニーの防水工事ではしばしば塩ビシート防水として登場します。

耐薬品性

耐酸性、耐アルカリ性、耐油性に優れ、アルコール類への耐性もあります。これは塩ビ素材がポリエチレン、ポリプロピレンなどと同等の耐薬品性を持つことを示しています。
例えば汚水には、酸、アルカリ、硫化水素などが含まれることがありますが、それらの物質に対する耐性が備わっていることから、身近なものでは排水管や配管に使用されています。

防汚性

防水性、耐薬品性があり、汚れにくい素材です。布のように汚れが染みてしまうのとは違い、簡単に拭きとることができるため、お手入れも比較的楽になるのです。

耐久性・耐候性

物質の性質として、空気中の酸素と結びつきやすいことが耐候性の低さを招くことがわかっています。
外気に触れる両面の塩ビ樹脂は酸化しにくい分子構造の素材です。塩ビの分子構造が炭素鎖の1個おきに塩素原子が結合した分子構造となっており、酸素に入り込むチャンスを与えにくい分子構造になっています。対して、酸化しやすい樹脂は主に炭素と水素だけの分子構造になっています。
デザイン面では色落ちしにくい溶剤系インキを使用することで、色褪せ・色落ちしにくい工夫が施されています。
ターポリンの種類によって異なりますが、1年以上から長いもので7年の耐久性があります。

難燃性

表をカバーしている塩ビ樹脂はポリエチレンやポリエステルと比べて、燃えるために必要な酸素の量が約3倍です。
前述したとおり酸素の結びつきづらい構造のため、結果的に高い難燃性があるのです。例えば火をつけても、着火はしてもすぐに消えてしまうといった高い自己消火率も示します。

引張強度

おおよそ、2000Nです。と言われてもイメージがつかないので、例えるならば、衣服を引っ張って破断するのが200Nです。
つまり布の10倍もの強度があると言えます。3層構造になっているため、単一の塩ビ樹脂やポリエステルなどとは強度が一桁違います。

トロマットとのちがい

ターポリンとよく比較されるシートにトロマットというものがあります。
トロマットとはポリエステル100%の平織りの布地を指します。トロマットの方がターポリンの3分の1の軽さで、トロマットの方が安価です。
一方で、防水性が低いことと、光を遮断できないため日よけには適さないといった欠点があります。防水性が低い布なので、水分を多く吸収してしまうと重くなってしまいます。
屋外用途ではターポリンに軍配が上がります。

ターポリンのデザイン性

ターポリンは使用目的上、デザインの劣化は少ないほうが当然望ましいわけで、そのためには発色の良い溶剤系インキを使うのが主流となっています。
ところがひと昔前までは印刷機の性能が追いつかず、効率の悪さからコストパフォーマンスもあまり良くありませんでした。今では従来より印刷機の性能が格段に上がったため、より仕上がりの良いきれいでコストパフォーマンスに優れたターポリンができるようになりました。
印刷方式は家庭用プリンターと同じ方式のインクジェット印刷であり、版印刷のように版(デザインをかたどった板のようなもの)を制作する必要がないため初期費用がかかりません。

シートの防炎加工

すでに述べたように、塩ビ樹脂は難燃性に優れていますが、不特定多数が出入りする建物では防炎加工がなされたものを使用することが消防法によって定められています。
素材自体が燃えにくく、高分子レベルで燃えにくい性質を持っているのが難燃です。難燃素材、難燃材料、難燃剤というように使います。工業規格では難燃グレードと言って燃えにくさの水準があり、決められた原材料しか認められていません。一方、素材自体は燃える素材で、難燃剤を塗布して燃えにくくするのが防炎です。加工が前提になっています。
いずれにしても燃えにくいということであって燃えないわけではありません。ターポリンの表層に使用されている塩ビ樹脂は、中層のポリエチレンやナイロンより難燃グレードが高いです。この2つが合わさっているターポリンとしての難燃グレードは明確にできませんが、さらに防炎加工をするケースもあるようです。

■ターポリンが活躍するシーン


はじめに説明したとおり、丈夫なため屋外で利用されることが多いターポリンですが、より具体的な使用シーンを紹介します。

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横断幕

幕を横に使っていれば横断幕で、文字や写真などがメインで印刷されます。各種スポーツイベントの横断幕でよく見かけるものです。
身近な場所では学校などでフェンス等に掲げるお祝いメッセージの横断幕もあります。

懸垂幕

いわば垂れ幕で、横断幕に対して幕を縦に使っているものが懸垂幕です。横断幕と同様に文字や写真などがメインで印刷されます。
こちらも学校などでも見かけますし、ビルの壁に宣伝材料として利用されてます。

タペストリー

垂れ幕の上下にロープやパイプを付けて取り付けやすくしたものがタペストリーです。
こちらはサイズが垂れ幕よりは小さめなイメージで、主に屋内用のものを指すことが多いようです。
看板代わりとして使用されることが多いので、商業店舗内などで販促材料として活躍しています。

テント

ターポリンは元々軍隊用で利用されていたこともあり、その耐久性から我々が使うテントで今でも活躍しています。
各種イベントやアウトドアで使用されるテントを実際に触ってみると、とても丈夫なことがすぐにわかります。多少高価なものであっても、質が非常に良く、何シーズンにもわたって利用できることからコストパフォーマンスを最大限に発揮できる用途の一つではないでしょうか。

日除幕

こちらもテントと同じような用途ではありますが、使用シーンとしては店の軒先で使用するため、表現力の面で異なります。様々な柄や色が行き交う人々の目を引くように考えられて印刷されています。

養生シート

物を保護する役割です。塩ビの優れた引張強度は工事現場や作業場でも活躍しています。
建設工事用シートに使う場合は強度目安があって、1種がシートだけで落下物の危険防止ができるもの、2種が金網とシートを合わせて落下物の危険防止ができるものに分かれています。

■ターポリンの種類と用途


ターポリンと言っても種類は様々です。ここではその種類と用途、加工についても解説します。

ターポリンの様々な種類

代表的な6種類のターポリンを紹介します。

メッシュターポリン

強風対策にはメッシュターポリンが一番です。風通しの良い網目状になっているため風の抵抗を抑える(流す)構造になっています。軽量になるメリットも兼ね備えます。逆に網目状になっているため、細かいデザインは制作しづらいですが、遠目から見て細かい部分まで表現する必要のないデザインなら問題なく使用可能でしょう。例えばビルの大型簡易広告、建設現場の養生幕など細かいデザインにする必要が無い場所にはおすすめです。

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軽量ターポリン

20%軽量化に成功したターポリンです。メッシュターポリンのように網目状になっているわけではないので風に弱く、使用場所には注意が必要です。

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遮光ターポリン

遮光材の処理を施しているため反対側が透けず、多層構造になっている厚めのターポリンです。主に広告向けのターポリンです。

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吸着ターポリン

裏面に細かい吸盤があるため、平らな面に貼り付けることができます。吸盤はミクロレベルなので気になることはありません。もちろん吸盤の劣化は否めないので交換目安は1年と他のターポリンに比べて短めですが、簡単に貼ったり剥がしたりできます。主に室内店舗向けのターポリンです。

高輝度ターポリン

反射材の処理を施しているため夜間に活躍します。車のヘッドライトなどの光を反射するように作られていて、道路沿いや工事現場でよく見かけます。

グロスターポリン

光沢感と発色性に優れたターポリンです。こちらはデザインを重視した用途向けに開発されました。デザイン性の高い広告向けです。


選べるオプション

ターポリンの制作にはオプションを利用して加工を施すことができます。より利便性や耐久性の高いターポリンが出来上がります。

ハトメ加工

ロープを通せるように穴を開ける加工です。ただし、穴が開きっぱなしですと、切り口からほつれたり裂けたりするため、切り口を保護するためのハトメと呼ばれるドーナツ型の部品を使用します。
懸垂幕(垂れ幕)の場合は四隅に穴を開けるのが一般的ですが、横断幕のように横に長い場合は長手方向に等間隔で何個か穴を設けます。

ロープ編み込み加工

生地にロープを編み込む加工です。ハトメ加工より風圧に強い加工方法です。より高くて風の強い場所に付ける場合は検討してみてください。
ただし、ロープの長さはあとで長くすることができません。

周囲加工

生地の周囲を加工することで生地の強度が増し、破れにくくなる加工方法です。主流は縫製により周囲を強化します。特殊なミシンを使います。
一方、ウェルダー加工と言って、熱で圧着する特殊な加工方法もあります。これは縫い目が目立つ縫製タイプと比べて、縫い目がありません。ウェルダー加工は見栄えを重視した場合の補強におすすめの加工です。

■お手入れと保管方法


イベントごとに丁寧なお手入れを心がけることで、ターポリンはより長持ちします。

基本に忠実に

柔らかい布で水拭きが基本です。布のように表面が粗くないため、力を入れなくとも充分に汚れを落とすことができます。逆に強くこすったりすると印刷が剥げる可能性があるので控えましょう。耐薬品性や耐久性が高いとは言っても、酸性洗剤やアルカリ性洗剤、シンナー、洗濯機やクリーニング、乾燥機等はターポリンの損傷または寿命を縮める恐れがあります。
保管時はプリント面を内側にしてロール状にして保管します。筒状のものに巻きつけると楽です。長時間放置する場合は、必ず水気をふき取り、直射日光の当たらない風通しの良い所で乾燥させてからにしましょう。

主にプラスチックは常温でも重いものが長時間乗っている状態で放置すると、変形が進行することがあります。これをクリープ現象と言います。塩ビはポリエチレンやポリエステルに比べ、クリープしにくい素材のため、主生地のポリエチレンやナイロンの変形を極力抑えてくれる効果があるので保管もしやすいです。

■ターポリンの弱点


長持ちさせるためにもあらかじめ弱点を知っておくことで、弱点を突くような場面や使用方法を極力避けることができます。

重い

1㎡あたり500g、およそ500mlペットボトル1本分です。携帯性は低いと言えますが設置回数がそれほど多くないターポリンであれば気にはならないでしょう。

厚い

厚さは0.3~0.5mmで、画用紙やティッシュ箱の紙くらいの厚みがあります。3層構造で、丈夫であることを考えると必要な厚みです。

硬い

こちらも3層構造であるがゆえの弱点です。お手入れの方法で説明したとおり、折り畳まずに丸めるほうがおすすめな理由はこれです。

風の影響を受けやすい

ビニールは風を通しにくく、すぐに風の影響でバタバタしたりするイメージがあると思います。例えば、風をまともに受けて壁に当たることで損傷の原因、寿命が縮まる原因となりますので、風の強い場所ではメッシュターポリンで対応しましょう。

低温環境下は適さない

実は使用している塩化ビニール樹脂の使用温度範囲は-10~60℃です。仮に低温環境下ですと弱体化し、樹脂が割れてしまう性質を持っています。
ただし、活躍するシーンで説明したとおり、販促物として使用する場合それほど低温環境になる場所で使用されることは少ないため、使用上は問題にならないと言って良いでしょう。

有機溶剤はNG

メリットである耐薬品性についてはすでに述べましたが、シンナーやアセトンなどの有機溶剤に反応しやすいため、それらが発生する環境には適していません。お手入れ方法にも示したとおり、水拭きを基本としてください。

産業廃棄物である

通常ゴミとしては捨てることができません。各自治体のルールに従って廃棄する必要があります。
徐々にエコ化していることから、将来は産業廃棄物としてではなく通常ゴミあるいは資源ごみで廃棄できるようになる可能性はあります。

■まとめ


ターポリンの印刷は人気サイズの600mm×1800mmで税込み¥6,688〜から承っております。
ロール状の印刷が可能なので長いサイズ1枚からでも印刷できます。店頭受け取りの場合、最短でその日に仕上げるプランも用意しています。納期を急がなければ価格を抑えて対応可能です。
さらに年中無休で土日祝日も営業日としてカウントしますので、お客様の予定に合わせて柔軟に対応できる仕組みとなっております。ターポリンの制作に一役買わせていただければ幸いです。

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