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デザインしたポスターを印刷業者に依頼するためのコツをご紹介


デザイン
商品やサービスのPR、イベントの告知、選挙の案内……。
世の中はポスターにあふれています。
駅、市役所、ホールなど家の外に出れば、必ず一枚はポスターを目にするでしょう。

この記事ではポスターをデザインする方法や、印刷業者に依頼する方法について解説しています。ポスターのデザインのやり方を知りたい方、実際にポスターを製作する方法を知りたい方は、ぜひ最後まで読んでみてください。


■ポスターとはなにか?


そもそもポスターとは何でしょうか?

▶ポスターの語源

ポスターの語源は「post(柱)+er」と言われています。かつては日本でも電信柱など柱に貼ってあるポスターをよく見かけましたが、柱や壁など掲示する場所に関係なく伝達したい情報を印刷した紙の総称をポスターと読んでいます。
商品・サービスの宣伝、イベントの告知、選挙時の候補者のアピールなど、幅広いシーンでポスターが活用されています。

▶ポスターのメリット

ポスターにはいくつかのメリットがあります。

視覚的なインパクトを出す

ポスターには視覚的なインパクトがあります。大きなサイズ、視覚に訴える色使いに思わず足を止めてしまったことのある方もいるでしょう。周囲の景色や他のポスターに比べて特徴的なコピーや写真・イラストが使われていると、なおさら視覚的なインパクトが大きくなります。

情報を簡潔に伝える

ポスターには情報を簡潔に伝えられるというメリットもあります。新聞や書籍の場合、手にとって記事や本文を読まないと内容が理解できません。
しかし、ポスターであれば少ない時間(歩きながらでも見られる時間)で最低限の内容が伝わるように作ります。そのため、興味を持ってもらう程度の簡潔な情報ならすぐに伝えられるのです。
また、見る人へのアプローチのやり方はさまざまです。キャッチコピー(言葉)が有効な場合もあればビジュアル(写真・イラスト)が有効な場合もあります。アプローチしたいターゲットに合わせて、これらを巧みに使い分けられます。

広範囲の対象者(見込み客)にアプローチできる

ポスターは駅や公園など多くの人が集まる公共の場所に設置できます。ポスターには必ずターゲットが設定されています。もちろん、ターゲットが集まりやすい場所に掲示する方法もありますが、公共の場所など誰もが来る場所に掲示して新たなターゲットを掘り起こすという目的にも使えるのです。 また、その場にいた人だけでなく、その人の友人や家族などへ口コミでポスターの内容が伝わることもあります。ポスターは不特定多数に簡潔に情報を発信する能力に長けているのです。

ポスターをコレクションする人も

本筋から少し逸れますが、ポスターをコレクションしている人もいます。特にデザイン性の高いアート系のポスターなどはその対象となりやすいでしょう。そういったポスターは直接のターゲット層でなくても、見るだけで楽しめるものです。そのため、コレクションした人が自宅でコレクションを飾ったり、ちょっとした展覧会(発表会)を開くこともできます。同じような話ですが、上記の理由により部屋のインテリアとしても利用できるでしょう。

掲載するのにエネルギーを使わない

近年ではモニターでCM(企業広告)を流すようなデジタルサイネージが増えてきました。デジタルサイネージは映像を流すものの音声を流さないため、テレビCMと紙のポスターの中間にある宣伝媒体とも言えるでしょう。
デジタルサイネージは一つのモニタで複数のクライアントの広告を流せるため、発信できる情報量は紙のポスターに比べて格段に多くなります。しかし、デジタルサイネージは稼働に電源を必要とするためランニングに必要な環境負荷は紙のポスターの方が低いと言えるでしょう。
「再生可能エネルギーはクリーン」という意見もあるかもしれませんが、残念ながら2021年度における日本の発電は火力発電の割合が72.9%と環境負荷の高い発電方法に頼っているのが現状です(※1)。
反対に紙のポスターは製作するときに紙を使い、使い終われば廃棄されてしまいます。しかし、再生紙を使用したポスター用印刷紙もあるため、その利用が広がれば今より環境負荷を下げられるでしょう。

※1:経済産業省「令和3年度(2021年度)エネルギー需給実績を取りまとめました(速報)」

■ポスターの用途とは何か?


ポスターは次のような場面で使用されています。

商品やサービスのPR

駅や電車の車内、ショッピングモールなどへ行くと誰もが目にするのが商品やサービスのPRでしょう。販売は企業活動の根幹であり、購買意欲を高めるためにポスターが使われているわかりやすい例です。詳細は後述しますが、ポスターは購買層(ターゲット)が商品を購入したくなるように巧みに作ってあります。ポスターは営業や販売員の役割を果たしているのです。

イベントの告知

商品やPRと並んで多いのがイベントの告知でしょう。現在(2023年8月現在)は、新型コロナウイルスの取り扱いがインフルエンザ等と同様の5類に引き下げられてから、大きなパンデミックは起こっていません。そのため、講演会やフリーマケットなども新型コロナウイルスが蔓延する前と同じような雰囲気で開催されています。特にイベントホールやその最寄り駅に行くと、イベント告知のためのポスターをよく目にするでしょう。

公共の場所での啓蒙

人権や福祉の大切さを訴える啓蒙。こちらは企業活動や景気に左右されることなく、いつの時代も掲示されているものです。また、春や秋の交通安全運動、冬の火災防止など季節性の啓蒙もあり、市役所など特に公共性の高い場所ではよく目にします。

展示会での商業PR・商品PR

ポスターの役割はイベントにお客さんを呼ぶことだけではありません。ブースが並ぶようなイベントでは、来場されたお客さんを自らのブースに呼び込むことが大切なのです。そのような場合も、ポスターが活躍します。イベント会場内で来場者に向けて貼るものや、イベント会場外でそのブース目当てにイベントに来てもらえるよう貼るものなどがあります。

学会でのプレゼン

学会などでのプレゼンに使われるポスター(パネル)には、他のポスターのような商業的な意味はありません。研究内容を要約して、はじめて研究内容に触れる人(加盟している学会員など最低レベルの知識がある人)が分かる程度にポスターにまとめて掲示します。

芸術作品

ポスターは内容によって芸術作品になります。ポスターはそもそもキャンバスのようなもののため、公序良俗や法律に抵触しない限り内容は自由です。そのため、ポスター(という紙、枠)を利用して芸術作品を作るアーティストもいるのです。

インテリア

ポスターは広報や宣伝の機能以外に、人にとっては部屋に飾るインテリアの一つとなります。特に前述の芸術作品と認められるようなポスターについては、よく利用されるでしょう。お気に入りのポスターを部屋のよく見える場所に貼っておけば、それだけで気分が落ち着いたり良くなったりするものです。

企業求人・学生募集

ポスターの機能は商品・サービスを売ったり、イベント告知をしたりするだけではありません。企業求人や、学生募集でも使われます。就職活動の時期や、オープンキャンパスの時期には街でよく見る機会も多いでしょう。

■デザインの作り方と流れ


ポスターはどのように作れば良いのでしょうか?

ポスターの目的や伝える情報を明確にする

ポスターはただ目立ち、見た目が良いだけではその機能を果たしません。一番大切なのは、ポスターを作る目的や伝える情報を明確にすることです。
ポスターにはさまざまな目的があります。わかりやすいのは商品の購入やサービスの契約ですが、他にも慈善団体への寄付や選挙候補者への投票などその目的は多種多様です。そのため、ポスターは注目されたら仕事が終わるわけでなく、見た人がその後に行動を起こしてはじめて目的が達成されるのです。
そのため、一目見ただけで内容を知りたくなるキャッチーさや意外性ももちろん大切ですが、いかにして目的とする行動を取ってもらうか考えることが大切なのです。

届けたいターゲットを絞る

ポスターの目的や伝えたい情報が明確になれば、おのずとその情報を届けたいターゲット(顧客層)が決まると思います。あるいは、商品・サービスの場合はそれそのものにターゲットが設定されていることが多いでしょう。
ポスターは不特定多数の人に情報を届ける媒体ですが、誰彼構わず届けばいいものではありません。ポスターの目的となる行動を起こしてくれる人に情報が届いてこそ意味があるのです。
たとえば、化粧品のポスターに肌がきれいな女優の方を起用したとしましょう。化粧品ですのでターゲットは女性です(年齢や年収などの属性設定は別途必要)。そのため、ポスターの目的は「化粧品を買ってもらうこと」です。
しかし、その女優が女性より男性に人気のある方で、そのポスターがより多くの男性に注目されたとしましょう。ポスターそのものは話題を呼んで注目されていますが、目的であった「女性に化粧品を購入してもらう」ことは達成できません。これではポスターを製作した意味がありません。
また、普段使う言葉はターゲットによって異なります。たとえば化粧品を使う女性(成人女性のほぼ100%)なら「美しさ」、「濃密」、「潤い」などの言葉を使うでしょう。反対に成人男性の多くがこれらの言葉を日常的に使うでしょうか?答えはノーだと思います。
色も同様です。化粧品のポスターは起用する女優の方のきれいな肌を強調するものが多くあります。そのため、人の肌の色より目立つような強い色はあまり使いません。ターゲットに合わせた言葉選びや色使いなど、とにかく顧客目線になることが大切なのです。
そして、あれこれ考えすぎると実在しないようなターゲットを想定してしまう場合もあります。その時は身近にいるターゲットと近い属性の人を思い浮かべて、その人の悩みを解決したり、その人が買いたくなるように商品のポスターを考える方がいい場合もあります。

キャッチコピーとメインビジュアルを大切に

ポスターにふさわしい言葉や色・雰囲気が決まったら、キャッチコピーとメインビジュアルを考えましょう。キャッチコピーは商品の内容やポスターの目的を端的に表す言葉、メインビジュアルとはキャッチコピーの内容をより幅広く表現するイラストや写真です。
キャッチコピーは文章ではなく、少数の言語からなる短いものです。ターゲットが使いそうな言葉をベースに伝えたいことや興味を持ってもらいたいことを書くようにしましょう。メインビジュアルも基本的な機能は同じです。ただ、ポスターを目にする人は全員が日本語を理解しているわけではありません。
そういった観点からすると、キャッチコピーよりメインビジュアルの方がポスターの目的達成をより近づけるものかもしれません(日本語が分からなくてもポスターで紹介している商品・サービスを利用できるかは別問題)。
ポスターの目的達成のためには、ポスターに書かれていることを「自分のこと」と思ってもらう必要があります。そのためにターゲットが使う言葉や色使い・雰囲気を採用するのです。ターゲットの悩みにフォーカスして親身になって寄り添い、悩みの解決手段(ポスターで紹介する商品やサービス)を与える。最終的には商品・サービスを購入、あるいは利用したターゲットに幸せになってもらうことが、ポスターの究極の目的なのです。

■デザインのコツとは何か?

ここからはポスターデザインにおけるコツを解説します。デザイン経験がなくても理解できる内容ですので、ゆっくり読んでみてください。また、インターネット上にあるポスターのテンプレートを利用すれば、簡単にデザインできます。


▶レイアウトの4原則

レイアウトには大きくわけて四つの原則があります。一つずつ紹介いたします。

近接
一つ目に紹介するのは近接です。近接とは似たようなものや同じグループのものを一つにまとめることです。 たとえば観光地を紹介するポスターを作るとします。名物A(食べ物)と名物B(食べ物)の写真がそれぞれがあったとき、これらがポスターの中で離れた場所にあると見る人の目線の移動距離が長くなります。
また、「なぜ、同じ食べ物なのに離れた場所に載っているのか」と疑問に思うでしょう。
そのような疑問を持たれた時点でそれ以上内容を読んでもらえなくなります。特に場所や交通アクセスなどは一箇所にまとまっている方が見やすいのは当然です。見る人のことを考えて、同じような類の情報は近くに表示するようにしましょう。

整列
次に紹介するのは整列です。整列とはポスター内の文字や写真を規則正しく並べることです。
たとえば文章の段落(パラグラフ)が複数あるなら、文頭の位置をそろえましょう。写真が複数枚あるなら、それぞれの写真の大きさや位置をそろえましょう。そうすることでポスターがより洗練されたデザインになり、上記のような「なぜ文章の位置や、写真の位置・大きさが揃っていないのだろう?」という余計な疑問を持たれないで済みます。

強弱
三つ目に紹介するのは強弱です。大切な情報の文字や写真はより大きく、そうではないものはより小さく書く(描く)ようにしましょう。
文字か写真かにかかわらず、情報はただ羅列すればいいものではありません。上記のような近接と整列を守っていても見にくい場合があります。それはすべての情報(文章)が同じ大きさや色で書かれていて、どの情報が大切か分かりづらいことです。
ポスターを作った人からすれば、すべての情報が大切なのかもしれませんが、見る人からすれば「自分の求めているものがポスターの中に書かれているか?」ということが一番大切です。そのためには、「このポスターが伝えたいこと」が真っ先に伝わる必要があります。その他の情報も大切ですが、そういった情報は伝えたいことがまず伝わった後に、ゆっくり見てもらえればいいのです。
見る人はポスターに書かれている情報に重み付けをして、どの情報が自分にとって一番大切か判断しながら見ます。そのため、文字や写真に強弱があれば見る人のコストが下がるのです。
しかし、反対に考えるとポスターにつける強弱と、情報の優先度を間違えると大切な情報が真っ先に伝わりません。デザインの検討段階から一番伝えたい情報がどれなのか理解して、見る人に伝わりやすいポスターをデザインしましょう。

反復
最後に紹介するのは反復です。反復とは同じ一枚のポスターの中で、デザインにパターンを設けることです。
観光地を紹介するポスターでは、食べ物、おすすめスポット、おすすめのお土産、おすすめアクティビティを紹介するとしましょう。それぞれに写真と説明文をつけるなら、「田の字」に写真を並べ、それぞれの写真の下に説明文を付ける。そして、写真の大きさや文頭の位置、文字数を揃えるなどパターンをもたせると、見る人が安心できます。
この安心感が最低限の納得感になり、見る人に「より詳しい内容を知りたい」と思ってもらえるのです。

▶その他デザインで気を付けること

レイアウトの原則をお伝えしましたが、それ以外にも気を付けることがあります。

見る人の目の動き(導線)に配慮
ポスターなどの掲示物を見る時、人は左上から右下に視線を動かすと言われています。これはポスターをはじめ横書きの文章が多いからではないでしょうか。この視線の動きに合わせて、はじめの方に一番伝えたい情報を入れておけば(さらに強調すれば)、見る人に注目してもらえる確率が高くなるかもしれません。

鮮明な写真を選ぶ
食べ物(特に果物や野菜)を紹介するポスターや、観光地や景勝地を紹介するポスターでは特に写真に気を使いましょう。このようなポスターでは普段見られない食べ物、現地に行かないと見られない景色を切り取ってポスターにしています。そのポスターの画像が粗ければ、内容がどれだけ良くてもポスターには見向きもされないかもしれません。
写真にとって画像の粗さは、人に例えると第一印象のようなものです。いくら中身が良くても第一印象が悪いのはとても残念なことです。ポスター用の写真をプロのカメラマンに依頼する場合は問題ありませんが、個人で撮影する場合はポスター用に写真を引き伸ばしても十分な解像度を保てるカメラを使うよう気をつけましょう。

キャッチコピーやメインビジュルの強調
前述した「レイアウトの4原則」にもあったように大切な部分は文字を大きくしたり、色を変えたりして強調しましょう。そして、一般的によく強調するのがキャッチコピーやメインビジュアルです。ポスターで伝えたいことの九割以上はこの二つに集約されていると思いますので、とにかく二つが見る人に届くようにしましょう。

配色に気を遣う
色には様々な効果があります。
まず色は大きく寒色と暖色にわかれます。寒食は青や紫などクールで知的な印象を与え、暖色や黄色やオレンジなど元気で活発な印象を与えます。ターゲットのイメージに合う配色を考え、商品・サービスの世界観を壊さない色にしましょう。
各々の色には次のようなイメージを持つ方が多いでしょう。

・黄色やオレンジ:活発、子どもらしい、活力あふれる
・緑や深緑   :新緑、フレッシュ、若さ
・青      :誠実、理性、冷静
・紫      :不思議、高貴、神秘的
・赤      :情熱、活動的、興奮

色を円状に並べた色相環(※2)というものがあります。このうち隣り合う色は親和性が高く、反対位置にある色はアクセントとなります。親和性の高い色の中にアクセントとなる色があれば、その部分が目に止まりやすくなるでしょう。
しかし、アクセントとなる色は使いすぎると「うるさい」デザインになります。ベースカラー:70%、メインカラー:25%、アクセントカラー:5%という配分が良いといわれています。背景などにベースカラーを、キャッチコピーやメインビジュアルの周りにメインカラーを、そして最も伝えたい部分にアクセントカラーを使って、効果的に見る人に訴えましょう。
また、NPO法人が作成するポスターや福祉的要素が強いポスターの場合は、色盲の方に配慮した色使いも大切です。
※2:Infinity Agent Lab「色相環とは?」

文字や写真のジャンプ率を高めにする
キャッチコピーやメインビジュアルをより目立たせないたなら、ジャンプ率を高くすることが大切です。ジャンプ率とは、たとえば文字であれば大きい文字と小さい文字の比率のことをいいます。ジャンプ率が高いほど文字の大きさに差が出て、より目立つようになります。
キャッチコピーの文字を大きくして周辺の言葉の文字を小さくする、メインビジュアルを大きくして、周辺のフォトコラージュのようにある写真を小さくすると、もっとも伝えたい部分が目立つようになります。
ただし、目立った方が良いかはポスターの雰囲気によります。ポスターで紹介する商品・サービスが高所得者層を相手にした落ち着いたものだったり、単価は安くても高齢者を相手にしたものである場合は、ジャンプ率を小さくした方が良い場合もあります。


▶タイプ別 より刺さるポスターのポイント

ポスターのタイプ別に見る人に刺さるポイントを紹介いたします。

シンプルなポスター
文字だけで構成されるようなシンプルなポスターでは使用するカラーを3色程度におさえるといいでしょう。文字のジャンプ率を小さくし、目立つというよりは飽きないポスターの方がいいかもしれません。
背景(ベースカラー)を落ち着いた白やベージュにすると、全体的にシンプルな印象になります。あるいは思い切ってモノクロにする方法もあります。キャッチフレーズの内容が非常に良い場合、モノクロでも十分ターゲットに刺さる場合もあるでしょう。

目立つポスター
反対に目立つポスターではシンプルなポスターと反対のことをしましょう。
文字のサイズやジャンプ率を極限まで大きくし、キャッチコピーを目立たせます。使用する色も反対色(補色)や目立つ色の組み合わせ(黒と黄色、青と緑など)を使い、とにかく目立つようにします。
飲料や食品のポスターでメインビジュアルに商品の写真を使う場合はシズル感(みずみずしさ)を強調するようにしましょう。そもそも目立つポスターに強烈はメインビジュアルが加わることにより、より注目されるでしょう。ただし、写真とキャッチコピーが重複しないようにするなど、互いを邪魔しないようにするのはデザインの腕の見せ所です。

学会ポスター
学会のポスターでは、現実的な情報が大切となります。何の学会なのか?どういった内容を発表するのか?学会への参加者には明確な目的や知りたい情報があります。その目的が達成できるのか分かるポスターであれば(かつ目的を達成できる人が多いのであれば)、多くの来場者が訪れるでしょう。
メインビジュアルは実際に報告する資料の中から選ぶ、キャッチコピーは派手さより実用さを重視するなど、実直なデザインが必要になります。報告内容の要約を説明文として入れるのも良いでしょう。また、開催日時や開催場所を分かりやすく書くことも大切です。

告知ポスター
商品・サービスやイベントの内容がターゲットの誰にでもすぐに分かるようにすることが大切です。キャッチコピーとメインビジュアルを大切にしたイメージの良いデザインで、「購入・体験を通して得られるベネフィット」を感じられるとなお良いでしょう。
また、内容によってはメインビジュアルを使わずにキャッチコピーだけで勝負して意外性を出す。あるいはビジュアルメインにしてキャッチコピーをシンプルにするなどの手法が取られる場合もあります。

選挙ポスター
選挙ポスターで大切なのは候補者の顔と名前だと言われています。候補者のイメージ(明るい笑顔や未来を見据えた真面目な顔)と名前を覚えてもらうのが目的のため、細かい政策などは記載しないことが多いようです。
ベースカラーやメインカラーには推薦してもらっている政党の色を採用したり、自らのテーマカラーを設定している場合には、その色を採用するのもいいでしょう。とにかく候補者の写真を大きく入れるため文字を入れるスペースがなく、候補者の名前を下の方に横書きで入れ、キャッチコピーを左右どちらかに縦書きで入れることも多いようです。
氏名に難しい漢字を使用している場合には、ひらがな表記にするのも一つの手です。

■素材とラミネートの種類

ここからは実際にポスター製作で使用する素材を解説していきます。

▶印刷紙の種類

ポスターに使用できる紙にはさまざまな種類があります。

半光沢紙

ポスターに使われる紙の中ではもっとも一般的な紙です。適度に光沢はあるものの、光の乱反射も一定程度おさえられるため、バランスの良い紙と言われています。
屋内などある程度照明が当たる環境で、鮮明な写真を採用したポスターを掲示したいときに適しています。

フォト光沢紙

とにかく写真を鮮やかに見せたいときにおすすめなのがフォト光沢紙です。名前の通り光沢があるため、名前の通り表面に光沢があるため写真が持つリアリティさをより表現できるでしょう。
しかし、印刷面が汚れや傷に弱かったり、光を反射しすぎるというデメリットもあります。後述するラミネート加工やマットラミネート加工をあわせて採用するのが良いでしょう。

合成紙・糊付き合成紙

合成紙は「紙」という名前が付いていますが、樹脂を原料としており、紙が持つ熱や湿気で曲がりやすいというデメリットを一定程度解消しています。光沢をおさえたマット系の印刷紙のため、屋外で使用する場合には後述のラミネート加工をするのがよいでしょう。
糊付きのタイプは、ポスターとしてではなくスチレンパネルなどに貼り付けてパネルとして使用するときに向いています。

エンボス紙

エンボス紙とは表面に凹凸があるように見える紙で落ち着きや高級感があります。マット感もあるため、百貨店や宝飾品店、ブランド店や高級飲食店のポスターやメニューとして使用されます。客単価の高いお店で使用される紙には、やはり落ち着いた雰囲気のものが合うようです。

バックライトフィルム

バックライトフィルムとは、背面が光る繁華街の看板やLEDパネルに使用される紙で、ポスターにも使用できます。通常は表面(おもてめん)が差し替え可能な看板に使用します。

和紙

和紙には洋紙にはない独特の質感と雰囲気があります。通常は高級料亭のメニューや注意書きなどに使用されますが、あえてポスターに採用することで他のポスターと差別化できるかもしれません。絹のような触り心地を持つ、竹を原料にした竹和紙もあります。

クラフトポスター

「ポスターの紙は白い」という常識を覆すのがクラフトポスターです。紙そのものは濃い茶色をしており、ナチュラルな雰囲気を売りにしたいおしゃれなカフェやベーカリー、大人の落ち着いた雰囲気を演出したいバーのメニュー表などとして使用されます。もちろんポスターにも使えますので、一味違うポスターを作りたいときに検討してみてください。

防炎クロス

ポスターは紙だけでなく不織布でも作れます。防炎クロスは防炎素材を使用した不織布(クロス)であり、必要に応じて防災認定マークを取得することもできます(イベント会場などによっては防炎認定が必要な場合あり)。クロスそのものは折りたたんでもシワになりにくいため、遠方への長時間の輸送にも向いています。紙にはない独特の柔らかい雰囲気を持っていますが、紙に比べてインクがにじんで広がりやすいため鮮明な写真の印刷などには向いていません。


▶ラミネートの種類

印刷面はそのままにしていると、汚れや傷がついてしまいます。ここでは、印刷面を保護する加工を紹介いたします。

マットラミ(つや消し)

一つ目に紹介するのはマットラミ(マットラミネート加工)です。ラミネート加工の中でも光の反射をおさえたものであり、強い照明があたる屋内での使用や直射日光のあたる屋外での使用に適しています。

グロスラミ(光沢)

次に紹介するのはグロスラミ(ラミネート加工)です。光沢のあるラミネートフィルムによる加工のため、光を反射しやすい代わりに写真の色などは鮮明に表現されます。色彩豊かな景勝地の写真や、新鮮さを表現したい果物や野菜の写真をポスターに使用する場合に適しています。

UVラミネート加工

ラミネート加工の中でも屋外での使用を想定したものです。紫外線の透過を防ぐ効果があり、屋外で一定期間問題なく使用できるほどの耐久性・耐候性を持っています。


▶その他の加工


パウチ加工

ラミネート加工とは違いますが、似たような効果を持つものにパウチ加工があります。パウチとは印刷物を裏表両面から、ポリエチレンなど透明の樹脂の板(フィルムと呼ぶには厚い)でサンドウィッチして熱圧着したものです。
防水性は非常に高いですが、パウチ加工の仕様上どうしてもポスターの仕上がり寸法より外側に耳と呼ばれる余白ができます。見た目が気になる方はラミネート加工の方が良いでしょう。ただ、ラミネート加工は印刷面しか保護できませんが、パウチ加工には両面の保護ができる特徴があります。

■どのような種類のパネルがあるか?


ポスターは通常なら紙のまま使用されますが、裏面にパネルを付ける場合があります。ここではポスターにつけるパネルの種類を紹介いたします。

▶パネルの種類

スチレンパネル
一つ目に紹介するのはスチレンパネルです。発泡スチレンボードと呼ばれる、発泡スチロールの粒を圧縮したようなボードであり、軽くて加工しやすい(カットしやすい)のが特徴です。
スチレンそのものは熱や湿気で反りやすいため、そのデメリットを一定程度補完するために裏表両面に紙が貼り付けてあります。厚さは3mm、5mm、7mmがありますが、比較的大きいサイズのポスターには5mmや7mmが使用されることが多いようです。ちなみにスチレンパネルは屋内での使用を想定しています。

アルミ複合板(アルポリ)
アルミ複合板とは樹脂をアルミの板でサンドウィッチした3mm程度の薄い板です。薄いながら金属と樹脂でできているため耐久性・耐候性は高く、合成紙を貼り付ければ屋外での使用も十分可能です。

13mmゲータフォーム
13mmゲータフォームとは高級感のある黒いパネルで、スチレンパネルに比べて高い強度を持っています。厚みが13mmもあるため落ち着いた雰囲気にもマッチします。写真展や簡易な看板、インテリアなど物理的に厚みを持たせて見た目の安心感がほしいときに向いています。


■どのような種類のサイズがあるか?


▶ポスターに使用する紙のサイズ

A0(841mm×1189mm)
学会発表用のポスターに使われるサイズ。

A1(594mm×841mm)
新聞の見開きサイズ。A0の1/2

A2(420mm×594mm)
店舗などに掲載する一般的なポスターのサイズ。A1の1/2。

A3(297mm×420mm)
選挙ポスターなどのサイズ。A2の1/2。

B0(1030mm×1456mm)
大型の図面やポスターに使われるサイズ。

B1(728mm×1030mm)
映画館や駅など屋外で使われるサイズ。B0の1/2。

B2(515mm×728mm)
イベント告知など宣伝でよく使われるサイズ。B1の1/4。

■製作のポイント


デザインやポスターの素材がわかったところで、実際の製作のポイントを説明いたします。

▶ポスターサイズの決定

ポスターの仕様の中でもサイズは重要です。
ポスターのデザインを検討する段階で掲示場所や目的に合わせてサイズは決まっているともいます。
しかし壁にポスターを貼る場合、壁いっぱいにポスターを貼ると「うるさい」イメージになります。
理想は壁の幅あるいは高さの60%〜80%といわれています。この程度なら余白として壁の一部が見えるため、不自然ではありません。手元にあるコピー用紙を複数枚並べて実際のポスターの大きさを想定し、壁に貼った後の状態をイメージしましょう。

▶ポスターの仕様の決定

サイズが決まったらその他の仕様を決めましょう。具体的には紙の種類と加工の種類です。掲示場所やポスターのデザインによってある程度決まるため、それほど迷うことはないでしょう。パネルにする場合は、パネルの材質も選びましょう。

▶入稿データの作成

この記事ではデザインのやり方を述べてきました。デザイン(入稿データ)を印刷業者に持ち込めばデザイン料はかかりません。デザインソフトが使えれば良いですが、最終的にPDFなどに変換すれば、PowerPointなどOffice系のソフトでも問題ないでしょう。
データ作成がどうしてもできない場合は、スキルマーケットやクラウドソーシングサイトでデータ作成を外注する方法もあります。
しかし、その場合でも手書きのデザイン案などは必要なため、用意しましょう。デザインデータ作成は印刷業者でやってもらえる場合もあります(別途料金が必要)。

▶スケジュールの管理

納期の確認やスケジューリングは工程を細分化して厳密にやりましょう。ポスター製作の工程はおおまかに次のようにわかれています。

・コンセプト検討
・デザイン検討
・ポスター製作(外注)
・設置(貼付け)

ポスターは掲示開始日が決まっている場合が多いでしょう。そのため、工程ごとに必要な日数を見積もり、スケジュールがタイトな場合には設置に多く人を動員するなど工夫が必要です。

■入稿方法と納期


最後に入稿方法と納期について確認しましょう。

▶入稿データと入稿方法

入稿データの形式や入稿方法は印刷業者によって異なります。
データ形式としてはai、PDF、PowerPointなどがあります。デザインソフトで作っても、Office系ソフトで作っても最終的にPDFに変換すれば入稿できる印刷業者もあります。事前に入稿データの形式を確認し、データ作成を外注する場合は特に気を付けるようにしましょう。
入稿方法も印刷業者によって異なります。Eメールで送付する場合もあれば、記録媒体を郵送してもOKな会社もあるでしょう。これも同様に事前に確認し、もっともスケジュールがスムーズに進む方法を選びましょう。

▶納期

納期はデザインの内容や印刷業者の込み具合にもよりますが、おおむね数日から2週間程度だそうです。そのまま印刷にまわせるような入稿データがあれば、納期やより短く料金はより安くなります。

■おわりに

この記事ではポスター製作について述べてきました。

ポスターをデザインするときには目的と伝えたい内容を明確にする必要があります。そして、ターゲットを絞ったらキャッチコピーやメインビジュアルを考えましょう。レイアウトの4原則を考慮してデザインを考え、見る方にもっとも伝えたいことが簡潔に伝わるようにしましょう。
ポスターを印刷する際には紙の材質と加工の種類を決める必要があります。また、ポスターをパネルにする場合は、パネルの種類を選ぶようにしましょう。

入稿データが自分で用意できるかは、ポスター印刷の納期や料金に大きくかかわってきます。印刷業者でデザインやデータ作成ができる場合もありますが、自ら作る場合やスキルマーケットなどで外注する場合を比較して、時間・お金・手間を考えてもっともバランスの良い方法を選びましょう。

あなたが作ったポスターを、いつか街中で目にする日を楽しみにしています。


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