写真やイラストなどの画像を拡大してポスターにする場合、解像度やデータの種類などで注意するべき事があります。それらの情報をまとめましたので、画像や写真を拡大してポスターにされたいお客様は、是非一度ご覧ください。
画像や写真のデータファイルにはいくつかの形式があります。画像ファイルは主に画像データを圧縮して、ファイルサイズを小さくするために開発されたものが多く、画像ファイルを生成した時点で、解像度が失われている場合があります。失われた解像度は、もとの画像を使用することでしか回復することはありませんので、いずれのファイル形式であったとしても、なるべく大きなサイズの画像ファイルを探していただくことが拡大するためには重要です。
印刷や現像された写真やイメージを使用してポスターを制作したい場合は、その印刷物や現像の精度に依存します。基本的にはスキャナーで読み込み、画像ファイルにした上でその画像ファイルを拡大することになりますが、どんなに高機能なスキャナーでも実際の印刷物や現像写真の解像度以上にはスキャニングすることはできません。1ミリ×1ミリの点が並んで形成されている画像は、どんなに高性能なスキャナーでも1ミリ×1ミリ以下の点を作り出すことはできないと考えていただけるとわかりやすいかと思います。
もちろん、スキャニングした画像を拡大し、粗くなった画像を1ドットずつ追加して綺麗にしていくことは技術的には可能ですが、莫大な時間とコストがかかってしまいます。ですので、印刷物や現像写真を元にポスターを制作したい場合は、まずネガか元データを手に入れることを考えていただくか、ネガや元データを元になるべく大きく拡大されて印刷、現像された印刷物や現像写真を手に入れることを考えるかしていただくのが効率的です。
解像度はDPIという単位で計られます。DPIとはドットパーインチの略で、1インチに点(ドット)がいくつ入っているかということを表しています。1平方インチではなく、幅1インチの中にいくつドットが入るかということです。1インチは2.54センチメートルですので、2.54センチメートルにいくつドットが入っているかという事になります。
ポスター印刷で使用するプリンターの解像度は300dpiですので、1インチの幅に300個のドットがあるということになります。300÷2.54=118.11ですので、1センチには118個のドット、1ミリには11.8個のドットがあるという事になります。それに対してパソコンのディスプレイは96dpi程度が通常ですので、パソコンの画面より印刷物の方がより精細に印刷されるということになります。
印刷した際の画像の荒れをパソコンで確認する方法は比較的簡単です。まず、イラストレーターやパワーポイントで実際に印刷するサイズのドキュメントを作ります。それぞれ、ドキュメントのサイズ設定をするメニューで設定可能です。次に拡大する画像をそこに貼り付け、実際に拡大したいサイズまで大きさを合わせて拡大してみます。最後にイラストレーターやパワーポイントの画面表示の縮尺を100%に変更します(通常はドキュメントの全体を画面に表示するために縮小して表示されています)。気になる部分に移動して、画面上で荒れを確認しこの段階で荒れていれば、印刷物も同様に荒れる事になります。
画像を拡大してポスターにする場合は、画像の解像度に気をつけなるべく大きな画像を使用して拡大することが重要です。