ポスターのデータ入稿ガイド:失敗しないためのチェックリスト
ポスターのデータ入稿から印刷までをスムーズ進めるには、正しいデータ入稿が不可欠です。
基本データ形式やカラーモード、解像度、トンボ設定、フォント処理など、事前に失敗しやすいポイントを抑えておくことで失敗を防ぐことが重要になります。
この記事では、ポスター制作のデータ入稿で押さえておくべきポイントや、ビジプリのデータ入稿方法、ポスター印刷を最適に進めるための注意点や設定方法について詳しく解説します。
入稿前に確認すべき基本データの形式

ポスター印刷をスムーズに進めるためには、基本的な形式を確認することが重要です。
不適切なデータ形式で入稿すると、仕上がりに問題が発生したり、修正の手間が増える原因になります。
以下に、入稿前に確認すべきポイントを解説します。
推奨されるファイル形式
まず、推奨されるファイル形式を使用しているか確認しましょう。
印刷用データではPDF形式が最適とされており、デザインのレイアウトやフォントが正確に保持されます。
業者によってはAI(Illustrator)形式やPSD形式も対応可能ですが、フォント埋め込みやレイヤー統合が必要になる場合があります。
カラーモードはCMYK
カラーモードがCMYKに設定されているか確認してください。
RGBモードのままだと印刷時に色味が変わるため、必ずCMYKでデザインを作成しましょう。
CMYK変換時には色がくすむ場合があるので、試し刷りを活用するのもおすすめです。
解像度とトリムマーク
ポスター印刷では解像度300dpiが推奨されます。
さらに、裁断ズレを防ぐためにトリムマークと塗り足し(3mm程度)を設定してください。
これにより、仕上がりで白い部分が見えるリスクを回避できます。
これらを確認することで、印刷トラブルを防ぎ、理想的なポスターを作成できます。
ビジプリの入稿方法:データ送信の流れを確認
ビジプリでは、注文後のスムーズなデータ入稿をサポートしています。以下の手順で入稿を進めることができます。
ビジプリ会員の場合
ビジプリ会員のお客様は、注文完了後に送付されるメールに記載されたリンクから、データ入稿が可能です。このリンクから簡単にデータをアップロードできます。
ビジプリ会員でない場合
会員でないお客様も、注文完了後に送付されるメールに記載された入稿方法に従い、データを送信できます。5MBまでのデータはメール添付で、5MB以上の場合は、ファイアストレージサービス(ギガファイル便など)を利用してデータをアップロードし、そのURLをメールで送信します。
入稿データに関するお願い
入稿時は、データサイズや加工内容をファイル名に記載していただくことをお勧めします。複数データをまとめる際は、ZIP形式で圧縮していただくと効率的です。
カラーモードと解像度の最適な設定方法
ポスター印刷で美しい仕上がりを実現するには、カラーモードと解像度の設定が重要です。
正しい設定を行わないと、色や画質に問題が生じることがあります。
ここでは、最適な設定方法を解説します。
CMYKモードで作成
印刷用データでは、必ずCMYKモードでデザインを進めましょう。
RGBモードでは印刷時に色が大きく変わるため、CMYKが適切です。
特に鮮やかな色や明るいトーンは、CMYK変換時に色味が変わる可能性があるため注意が必要です。
解像度は300dpiが基本
解像度は300dpiが推奨され、手に取る印刷物では十分な画質を確保できます。
大型ポスターの場合は、150~200dpiでも対応可能です。
仕上がりサイズに合わせた解像度でデータを作成してください。
確認と試し刷り
データを入稿する前に、カラーモードがCMYKであることと解像度が設定通りであるか確認してください。
さらに、仕上がりサイズで画像や文字がぼやけていないかをチェックすることも重要です。
試し刷りを依頼することで、仕上がりイメージを確認できます。
適切な設定を行うことで、ポスターの完成度を高めることができます。
ビジプリでの色味とカラーモードの設定について
ビジプリでは、印刷物の色味が予期せぬ変化を避けるために、CMYKカラーモードでの入稿を推奨しています。パソコンのディスプレイ上ではRGBモードで表示されるため、RGBで作成したデータが印刷後に色味が変わる可能性が高いです。
RGBでデータ作成の場合、印刷時にCMYKに変換される為、色味が変わる可能性がございます。予めご注意下さいませ。
色校正(試し刷り)を推奨
色味の違いを最小限に抑えるため、ビジプリでは試し刷り(色校正)を推奨しています。特に重要な印刷物の場合、色校正を行うことで、仕上がりのイメージを確認できます。
文字や画像が切れないためのトンボと余白の設定
ポスター印刷でよくある問題の一つが、文字や画像が切れることです。
これを防ぐには、トンボ(トリムマーク)と余白の設定が重要です。
適切な設定を行うことで、完成品の見栄えを向上させられます。
トンボの役割
トンボは仕上がりサイズを示すためのガイドラインで、裁断位置を正確に指示する役割を果たします。
トンボがないと裁断時にズレが生じる可能性があるため、デザインには必ずトンボを設定しましょう。
トンボの位置が適切であることを確認してください。
塗り足しの設定
背景やデザインが用紙の端まで広がる場合、塗り足しを3mm追加しましょう。
これにより、裁断時に白い余白が生じるのを防ぐことができます。
デザインソフトの自動設定機能を活用すると効率的です。
安全マージンの確保
文字や重要な画像は、仕上がりサイズの内側に余白(安全マージン)を確保して配置してください。
安全マージンは通常、仕上がりサイズの内側3~5mm程度が推奨されます。
これにより、裁断ズレによる情報欠落を防ぐことができます。
これらを徹底することで、仕上がりのクオリティを保てます。
ビジプリへの入稿データに不備があった場合
入稿データに問題が発生した場合、ビジプリではすぐに確認の連絡をさせていただきます。例えば、データに粗さや余白があったり、破損していたりする場合、メールでの確認後に修正依頼を行います。
入稿データの確認と修正
ご入稿いただいたデータに不備があった場合、迅速にメールでお知らせします。お客様からの返信をいただいてから印刷が開始されるため、早めに対応することをお勧めしております。
フォント埋め込みとアウトライン化の重要性
フォント埋め込みとアウトライン化は、デザイン通りの印刷物を仕上げるために欠かせない作業です。
これを怠ると、意図しないフォント置き換えやデザイン崩れが発生する可能性があります。
以下で、それぞれの作業と重要性を解説します。
フォント埋め込みの役割
フォント埋め込みは、使用フォントをデータ内に含めることで、印刷環境に依存せず正しいデザインを再現します。
特にPDF形式での入稿時に推奨される作業で、デザインのズレを防ぐことができます。
埋め込み設定を有効にして保存してください。
アウトライン化でトラブル回避
アウトライン化は、文字を図形として変換する作業で、フォントがない環境でもデザインを正確に再現できます。
Illustratorなどのデザインソフトで「テキストをアウトライン化」機能を使用して実施しましょう。
これにより、フォントの種類やバージョンの違いによる問題を回避できます。
実施タイミングに注意
アウトライン化は、文字編集ができなくなるため、最終確認後に実施することが推奨されます。
フォント埋め込みかアウトライン化のどちらかを確実に行えば十分です。
印刷業者の指示に従い、適切な方法でフォント関連のトラブルを防ぎましょう。
ビジプリのアウトライン化やデータ入稿形式について
ビジプリでは、様々なデザインソフトに対応したデータ入稿方法を提供しており、上記のようなテキストのアウトライン化やフォント埋め込みについても必要になります。
対応可能なデータ形式
Illustrator(AI)形式
Illustratorで作成したデザインをそのまま入稿できます。リンク画像はすべて埋め込んでいただき、文字は必ずアウトライン化してください。これにより、フォントのバージョン違いや環境依存によるズレを防ぎ、正確なデザインを再現できます。
PDF/Photoshop(PSD)/画像ファイル(JPG/GIF/TIFF/PNG)形式
印刷するサイズがA4以上の場合、データサイズは1MB以上、解像度は350dpi以上での入稿が推奨されます。解像度350dpiで、実寸サイズに合わせて作成することが最適です。また、ファイルサイズが大きくなる場合には、オンラインストレージサービスを通じてデータを送信することをお勧めします。
Microsoft Office(Word/Excel/PowerPoint)形式
Microsoft Officeで作成されたデータも入稿可能ですが、互換性の問題で「フォントが変更される」や「配置がずれる」といった不具合が発生する場合があります。そのため、Microsoft Officeのデータを入稿する際は、必ずPDF形式に変換してからご入稿をお願いしています。また、OfficeソフトはRGBカラーモードでしかデータを作成できないため、印刷時に色味が若干異なる場合がある点をご留意頂いております。
これらのフォーマットに対応していただければ、ビジプリでの印刷をスムーズに進めることができます。デザインが正確に再現されるよう、フォントの埋め込みやアウトライン化などについても事前に抑えておくと、いざポスターの印刷を依頼しようという時にデータ入稿もスムーズです。
印刷トラブルを防ぐための最終チェックポイント
印刷トラブルを防ぐためには、入稿前の最終チェックが欠かせません。
以下に、確認すべきポイントをまとめました。
これらを確認することで、安心して印刷を依頼できます。
仕上がりサイズと塗り足し
デザインデータが予定通りの仕上がりサイズになっているか確認しましょう。
塗り足し(3mm)が含まれていることを必ず確認し、裁断時の白い余白を防ぎます。
カラーモードと解像度
カラーモードはCMYKに設定し、RGBモードが残っていないかチェックしてください。
解像度は300dpiを基準に、画像がぼやけていないか確認します。
フォントとスペルチェック
フォントがアウトライン化されているか、または埋め込みが正しく行われているかを確認してください。
さらに、全体のレイアウトやスペルミスがないかを複数人で確認することも重要です。
これらを徹底することで、印刷トラブルを未然に防ぐことができます。
まとめ
ポスター印刷のデータ入稿を成功させるためには、基本データ形式やカラーモード、解像度の設定を正しく行うことが重要です。
トリムマークや塗り足し、安全マージンを確保することで、裁断ミスを防ぎ、美しい仕上がりを実現できます。
また、フォントのアウトライン化や埋め込みを行い、文字デザインの崩れを回避しましょう。
ビジプリでは、データ入稿のプロセスを簡素化し、スムーズな印刷を実現するために様々なサポートを提供しています。入稿方法は、ビジプリ会員と非会員のお客様に合わせた柔軟な形式を用意しており、サイズや形式に応じた最適なデータの提出が可能です。
このガイドを参考に、次回のポスター印刷をトラブルなく進めましょう。最適なデータ作成と入稿を行うことで、理想的な仕上がりを実現できます。
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