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【網羅版】ポスター印刷機の歴史と現在を徹底的にご紹介

ポスター印刷といえば多くの方は大判プリンターをイメージされることでしょう。
また印刷といえば、多くの方の目に触れるのは「印刷機」ではなく「プリンター」と言えます。

現在では印刷の技術が発達し、印刷業でない方は、印刷される原理や工程に触れる機会はほとんど無いのではないでしょうか?

そこで本記事では、印刷の歴史から現在の印刷方法まで徹底的に解説します。

本記事を読むと、

 ・印刷の歴史や分類
 ・それぞれの印刷方法の特徴
 ・プリンターの種類と特徴

についてがわかります。

本記事を参考に、ポスター印刷の際に「どの機器を選ぶべきか?」もしくは「外注の方が効率的ではいか?」などをお考えの方は本記事で印刷の歴史から分類、各特徴を把握していただき最適の答えを見つけるヒントにして頂ければ幸いです。


■ポスター印刷機の歴史

現在のポスター印刷には大判プリンターが使われていますが、そもそも印刷とはどのようなルーツで発展してきたのかを、起源から現在までお伝えします。

▶木版印刷

木版印刷は木版を使って印刷する方式であり、印刷の起源と言える古い印刷方式です。

着色部分を残し、周囲を彫った版木に絵具を乗せ、絵具の粒を紙の繊維の間に押しこむようにする印刷の仕組み。

発祥の起源は660年頃の中国であり、100年ほど経つと小仏像、暦本、経典、紙幣など生活に欠かせないものに印刷されます。

その後世界中に伝わり、特に日本に残る「百万塔陀羅尼経」は、現存する最古の印刷物とされています。

「百万塔陀羅尼経」は、印刷博物館で見る事ができます。  >>印刷博物館のページ


▶活版印刷

活版印刷はいわゆる「はんこ」と同じ原理です。記号や文字を彫り込んだ商品を組み合わせて版を作成し、そこにインクをつける作業になります。

活版印刷の特徴は何度も版を作ることが可能なことです。木版印刷の木版は版が一枚の板からできていますが、文字のひとつひとつが別々の活字でできているため、これらを組み合わせることで何度も版を作り変えることができます。

この技術が、いつ頃どこで発明されたかは、諸説有りますが確定的な情報はありません。

中国や朝鮮では11世紀から13世紀にかけて活版による印刷が行なわれていたと歴史書に記されていますが、活版印刷はあまり定着しませんでした。

1445年頃にはドイツのヨハネス・グーテンベルクがそれらの印刷技術をシステムとして集大成し、プレス印刷機を発明しました。


▶輪転印刷

輪転印刷は1843年にリチャード・マーチによって発明され、今日でも使われている初めての技術です。

輪転印刷機の仕組みとしてはドラムと呼ばれる大きなローラーに、湾曲させた版を取り付けて回転させながら印刷するといったものになります。

輪転印刷機の特徴は、高速で連続印刷が可能なことです。

短時間で大量部数の印刷することが可能なので、今日でもほとんどの新聞や折込チラシは輪転印刷機で印刷されています。


▶へクトグラフ

別名「ゼラチン版」と呼ばれます。少部数印刷や陶器、焼き物の絵付けに使用されました。

専用のインクを含んだ鉛筆やペン、カーボンペーパー、あるいはタイプライターなどで筆記した紙の版を、水や水溶性の溶剤で湿らせたゼラチンパッド上に押しつけてパッドにインクを転写。 その後版を引きはがして、パッドに印刷用紙を再び押しつけることで再転写を行う印刷の仕組みです。

日本では明治時代から昭和初期まで、教育機関や官公庁、企業内で部数の少ない内部文章の複製に使用されました。


▶オフセット印刷

オフセット印刷は、現在の大量印刷にも使われている最もポピュラーな印刷方法です。

オフセット印刷機にはロール状の用紙をセットして、高速で紙を巻き取りインクを転写していく輪転機と、1枚ずつにカットされた紙を印刷機に通す方式の枚葉機があります。

輪転機では紙の薄いものを扱うことが多い傾向にあります。

それに対し枚葉機は扱う紙に制限はありません。ポスターやチラシなどのよくある一般印刷物以外にも、ポストカードやパッケージなどの厚い紙にも対応可能なのが特徴です。


▶インクジェット印刷

今日ではご家庭でも、親しまれるようになった印刷方法です。

インクジェット印刷は上記までで説明してきた印刷の方法とは全く異なります。

版を圧着して転写するというものではなく、液体インクを細かく滴にして用紙に吹き付ける非接触の印刷方法です。

オフセット印刷が大量印刷に向く印刷方法であるのに対して、小ロットに向いている印刷方法です。

インクジェット印刷はデジタルなので版の作成の必要がなく、1枚からでも印刷が可能なので、小ロットでも低コストで済みます。

また、データを用意すれば写真や色彩豊かなグラデーションの再現も自由にできるのもメリットです。


▶レーザー印刷

レーザー印刷はコンビニエンスストアや会社などで、身近なレーザー複写機やレーザープリンターに採用されている印刷方法です。

仕組みとしては感光体と呼ばれる、用紙にトナー(カラーインク)を転写させる筒状のものにレーザーを照射して、トナーを付着させ、熱で溶かして、紙に押し付けるというものです。

押し付けるとはいえ、利用するのは静電気なので、木版印刷のようないわゆる「プレス」する行程はありません。

画質はインクジェットに劣るもののカラーでの印刷が可能で、比較的多い部数を印刷するのに向いています。


 

■印刷の仕組み-プレスとプリンティング-

日本の商業印刷や出版・広告業界では「印刷(プレス)」と「プリンティング(プリント)」という言葉は使い分けています。

ここではそれぞれの意味を解説します。


▶プレス印刷

プレス印刷とは原則的に金属部品で圧力をかけて加工する仕組みの印刷の方法です。
現在で代表的なプレス機はオフセット印刷機と輪転印刷機になります。

今日で報道機関やマスコミ、ジャーナリストなどが「Press(プレス)」という意味を持つ理由はこの印刷の行程が由来となっています。

また、印刷には製版工程の「プリプレス(Prepress)」、用紙に対して圧力をかけインクを加工する「プレス(Press)」、印刷された用紙を仕様ごとに断裁、加工、製本などの納品までのプロセスを「ポストプレス(Postpress)」と呼びます。


▶プリンティング

プリンティング(プリント)とは上記以外の印刷方法を指します。

インクジェットプリンターやレーザープリンターを用いて印刷されることです。パソコンやスマホ等の画面では「印刷」と表示されますが上記の機器での印刷はプリンティング(プリント)や「出力」などと表現されます。


■印刷の分類

次に印刷の分類についてお話します。
印刷の分類は大きく分けて下記の5つに分けられます。

 ・凸版印刷
 ・凹反印刷
 ・平版印刷
 ・孔版印刷
 ・デジタル印刷

それではそれぞれ説明します。


▶凸版印刷

突起している版面を使い、この部分に圧着してインクをつけて印刷する方法。凸版印刷は、印刷発明初期の「木版印刷」や「活版印刷」もこれに該当します。

現在、日本や世界各国で利用されている凸版印刷に該当する方法は、「フレキソ印刷」と呼ばれる方法です。

その仕組みは柔軟なゴムや樹脂で作られた版にインクを付着させ、紙やフィルム等の基材に転移させるといったもの。日本ではダンボールへの印刷を中心に導入されていますが、欧米ではフィルムの印刷、米国では食料品包装の多くがフレキソ印刷です。


▶凹版印刷

凹版印刷は凸版印刷とは反対に、版に凹みを作ってそこにインクを流し込み、紙やフイルムに印刷する方式を指します。この方式ではインクに厚みを持たせることができるので、高品質なカラー印刷が可能です。

現在凹版印刷で代表的な印刷方法は、包装資材などのプラスチックフィルムなどへの印刷を扱う「グラビア印刷」が主流です。

高品質なカラー印刷が可能なので、かつてはカラー雑誌の印刷にもよく使われておりました。「グラビアアイドル」という言葉はグラビア印刷が語源とされています。


▶平版印刷

平版印刷は読んで字のごとく、凹凸がほとんど存在しない版を使用します。

水と油の互いに反発する性質を利用した印刷方法です。
版に親油性と親水性の部分を作り、水で湿らせ、版面に水とインクを交互に与えて印刷します。

現在使われている平板印刷の技術はほとんどすべてがオフセット印刷です。


▶孔版印刷

凸版、凹版、平版のように版にインクをつける印刷方法とは違い、版自体にインクが通る孔(あな)を開けて、そこから通ったインクを材料に擦りつける印刷の仕組みです。

以前は版に絹の繊維のスクリーンを利用していたので「シルクスクリーン印刷」とも呼ばれていました。

現在では版に絹ではなくナイロン、ポリエステルのような化学繊維や、ステンレスなど細かい糸を織ったスクリーンを利用してしているので「シルク」がとれて「スクリーン印刷」と呼ばれています。

孔版印刷(スクリーン印刷)のメリットは他の印刷方法では難しい曲面への印刷に対応可能なことです。また、紙のみならず、プラスチック、ガラス、合成樹脂、金属、布等、など幅広い素材にも対応できます。

そのため生活用品、商業美術、工業製品などで幅広いジャンルの印刷物に使われている印刷方式です。


▶デジタル印刷

デジタル印刷とは、デジタルイメージを直接様々なものに印刷する方法です。

先程の「プレス印刷とプリンティング」の内、「プリンティング」の印刷方法であるインクジェットプリンターやレーザープリンターはこれに該当します。

オフセット印刷をはじめとした有版方式と比較して、大ロットの際には1ページあたりのコストが高めです。しかし無版方式なので版をつくる工程がなくなることで、小ロットでは製版代を必要としないというメリットがあります。

また、最近では「必要なページを、必要な量だけ」印刷可能なオンデマンド印刷も登場し、完成までが早く、内容の修正もPCで簡単にできるといった利点もあります。

人件費削減や、高機能化してきたことから、デジタル印刷は有版印刷の印刷方法に取って代わる域にまで到達し始めています。


■印刷と違う?写真植字について

写真植字とは印刷そのものの技術とは異なり、その名の通り写真技術を使った植字方法です。多くの人に「写植」という略称で浸透しています。写真やイラストを掲載するポスターの印刷には写真植字(写植)が大きく関わってきます。

ここでは初期の写真植字(写植)の原理から、現在のポスター印刷とプリンターまでについて説明します。


▶初期の写真植字とその原理

最も基本となる原理は、白黒ネガフィルムから印画紙にプリントする仕組みと同じです。1920年ごろのイギリスでは写真を応用した文字組版の研究が始まっていました。

文字のネガをレンズで拡大あるいは変形して印画紙に焼き付ける技法では、独特で柔らか味がある表現が可能なことが写真植字のメリットです。

印刷物の編集や原稿作成、デザイン、レイアウトなどの作業をPCで処理するDTPが普及した現在でも、タイトル文字などに限っては写真植字を指定して使うケースがあります。


▶現在のポスター印刷とプリンター

昨今ではポスター印刷を業者に任せず、自社で内製化している会社がたくさんあります。その多くが大判プリンター(BOなどの大きなサイズが印刷できるプリンター)を導入しています。

販促に使われるPOPやポスター、あるいはCADや図面のプリントアウトなどを目的とした使用が多く、飲食業界、小売・卸業界、サービス業界、建設・不動産業界、娯楽・レジャー業界、衣類・装飾業界などの様々な業界や事業に使われています。

大判プリンターが初めて発売されたのは1960年代で、当時は100万円代でも低価格と驚かれるくらい、高価なものでした。その当時は印刷会社などに導入されるのみで、一般企業ではほとんど使われていませんでした。

しかし、2000年代以降に耐久性の高い顔料インクが開発され、それからは一般企業にも幅広く浸透しました。昨今では様々な業界・業種でも活用されるようになっています。

街中で見かける看板やポスター印刷に使われるなど、大判プリンターはとても身近な場面での活躍を広げています。


■プリンターの種類と特徴

最後にポスター印刷でポピュラーな大判(インクジェット)プリンターをはじめとしたプリンターについてそれぞれの特徴を述べていきます。


▶インクジェットプリンター

インクジェットプリンターは、インクをダイレクトに印刷対象に吹き付ける印刷方法です。
何十色ものカラーインクを使える機種も存在し、色の再現性が高いのが特徴です。写真の印刷に向いており、家庭用のプリンターで多く使用されています。

また、産業用のインクジェットプリンター以外は、色付けや印字に必要な量のインクを噴出させる「オンデマンド」という印刷方式がほとんどです。

インクはプリントヘッドに充填されます。インクを放出させるためにプリントヘッドに圧力をかけますが、その方法は各メーカーごとに下記の「ピエゾ方式」と「サーマル方式」の2種類に分かれます。

 ・「ピエゾ方式」:電圧が加わることによって体積が変化するピエゾ素子を使って噴出させる
 ・「サーマル方式」:ヒーターで加熱して気泡を発生させることで噴出させる。


▶大判インクジェットプリンター

大判インクジェットプリンターはざっくりいうと家庭用のインクジェットを、大型化したものです。

印刷の根本的な原理は同じですが、大型ゆえにポスターなどにつかわれるB0などの大きなサイズの印刷にも対応できます。また家庭用との違いとしては、原則的にはロール紙への印刷なので長尺サイズの物が作成可能です。

家庭用よりも高価なので、品質を安定させるスペックも充実しており、速度もB0サイズでも5分程度とかなりの高速での出力が可能になります。

インクタンクも大きく、各メーカーごとの個体差はあれど、B0サイズで300枚程度は印刷出来る容量があります。

また、導入の際は任意で契約できる「保守契約」に入っておくのがベターです。

こちらもメーカーごとの期間や内容に多少の差はありますが、一般的には1年間の無料保守が付帯しております。
期間中は修理工賃や出張費用などの免除を受けられます。

納期がシビアな出力事業を主に行っている場合は、保守加入でより強固な事業展開が期待できるなど、加入のメリットはコスト面にも大きくつながります。


▶レーザー・カラー複合機

一般的にはレーザー・カラー複合機より「複合機」と呼ばれることが多いです。
複合機は、コピーやプリントのみならず、コピー・プリンター・FAX・スキャナーなどのオフィス業務に役立つ様々な機能が1台に集約された機器を指します。

ご家庭でも会社でもよく見かける複合機は、省スペース化やスキャンしてデータをPDFの管理にすることで、ペーパーレス化に貢献など様々なメリットがあります。

ただし、複合機は一台でいくつもの機能は使えますがロール紙のセットや大判インクジェットプリンターのように写真の色鮮やかな色彩を表現するのには向きません

よってポスター印刷ができるものではありません。

あくまでオフィスで上記のようなメリットを重視した役割での使い方が有効な使い方です。


■まとめ

ポスター印刷によく使われている大判プリンターをはじめとして、印刷そのものの歴史について述べてきました。

現在はオンデマンド化が進んだことで、メニューを選択してスイッチを押せば、当たり前のように思い通りの印刷物が瞬時にできあがります。

しかし今一度印刷の原理や歴史を知ることで、ご自身に最適な印刷方法は何かを見つめ直す機会になるのではないでしょうか?

本記事を参考にして、貴社にとって効率がよくコストパフォーマンスの良い印刷方法が見つかれば幸いです。

ポスター印刷機の仕組みや分類をご存じですか?

本記事では印刷の歴史や仕組み、分類までを詳しく記載しております。

今一度印刷のルーツや仕組みを知り、自社に最適な印刷方法を検討している方は必読です。

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