絵画の規定サイズ（号数）

【絵画】キャンバスサイズの号数って何？一覧表でもサクッと確認！

「絵画を描きたい（購入したい）けど、サイズはどうしようかな？」
「絵画の号数って何だろう？」
「絵画のサイズを一覧表で確認したい！」

絵画のサイズ（号数）の見方について知っていると、絵画や画材を見る際に役立ちます。
本記事では絵画の基礎知識でもある、「絵画のサイズ」について分かりやすく解説していきます。
また絵画のサイズの解説だけでなく、選び方のポイントもお伝えしますので、サイズ選びに迷われている方はぜひご覧になってくださいね。

■絵画のサイズ（号数）とは？

絵画の大きさは「F4号」といったように、大文字アルファベット＋数字の組み合わせで表すことがあり、これを号数と呼びます。
キャンバスやフレームも同様、号数を使用することがあるため、F4号の絵画であればF4号のフレームを合わせて選ぶとよいでしょう。
号数は、ギャラリーやデパートなどに展示されている絵画の場合、「キャプション」という作品の下に貼ってある小さな札や、価格表によく記載されています。

また画材屋さんで販売されているキャンバスやフレームなどは、大きさごとに分けられ、箱に号数が記載されていることもあります。
絵画サイズは、号数以外にも「○○cm×○cm」や「○○mm×○○mm」と表すケースもあります。
絵画のネット販売では、S・M・Lなど店側が独自のサイズ展開をしているケースもあるため、販売元に応じてチェックする必要があるでしょう。

また作家さん自らがキャンバスを作成したり、絵画のイメージに合わせて特注をしたりと、形や大きさにとらわれずに制作することもあります。
すべての作品が標準サイズ（号数）を採用しているわけではないため、作品によって確認する必要があるでしょう。

▶数字の意味

Ｆ4号の数字である「4」は、絵画の長辺の長さを意味しています。
一見、「4cmや4ｍなのかな？」と考えてしまいそうですが、「4」はあくまでも番号のようなもので、実際は333mm（33.3cm）となります。

※絵画標準サイズより一部抜粋して編集

▶アルファベットの意味

F4号の「F」は、絵画の短辺の長さを意味しています。

短辺はF／P／M／Sの4種類に分かれます。

これらは絵画をより美しいバランスに見せるための比率となっており、定まった値は無く、長辺の長さによって変化します。

※絵画標準サイズより一部抜粋して編集

また同じ号数同士で比較した場合、短辺の長さはS＞F＞P＞Mの順で長くなる特徴があります。

※絵画標準サイズより一部抜粋して編集

F／P／M／Sそれぞれの文字には次のような意味が込められています。

・F＝Figure　『人物』を美しく描けるバランス
・P＝Paysage　『風景』を美しく描けるバランス
・M＝Marine　『海景』を美しく描けるバランス
・S＝Square 　『正方形』

「Fだから人物を描かなくてはいけない」ととらわれる必要はありません。
絵画は基本的にどのサイズに何を描いてもよいため、自分好みのキャンバスサイズを選んで絵画を楽しみましょう。

■【比較】海外と日本のキャンバスサイズのちがい

▶日本のキャンバスサイズ

日本と海外ではキャンバスサイズに差があります。

日本のキャンバスサイズは、もともとフランスの規格をベースに、日本用に置き換えられたものになっています。

日本の尺貫法が廃止された後、メートル法に換算したさいにわずかな誤差が生じてしまったといわれています。
日本と海外ではキャンバスサイズに若干の差があるので、海外製の絵画やキャンバスなどを購入するさいは、どのサイズ規格であるのかを確認しましょう。

日本の絵画標準サイズ（単位：mm）

▶海外（フランス）のキャンバスサイズ

■絵画のサイズはどうやって測るの？

実際にご自身で絵画のサイズを測るときにどのように測ればよいか、気を付けるポイントについて解説していきます。

▶長辺を基準に測る/55～90kg

絵画のサイズを確認するさいは、長辺を基準として考えます。
同じF4号だとしても、縦長に描く場合と、横長に描く場合とがありますが、向きは関係しません。
つぎの絵はどちらも長いほうが24cmであるため4号になります。（絵画標準サイズ一覧を参照）

▶フレームは除き、絵のみを測る

絵画のサイズを測るときは、額（フレーム）や装丁（外側の装飾）を含めずに、絵の部分のみを測りましょう。
額に入っている場合、見えている部分が実際よりも小さく見えることがあります。
額のデザインにもよりますが、数㎝〜数十㎝ほど絵が額に隠れることもあるため、この差を考慮して測る必要があります。
絵画のサイズを測るさいは、可能な限り額を外して測るとよいでしょう。

また木枠の上に画布を張ってキャンバスにする場合、実際のサイズは木枠サイズに布の厚み分１～2mm程がプラスされることになります。

■おすすめ！絵画サイズの選び方

絵画やキャンバスサイズを選ぶさいは、以下の2点を考えてみましょう。

・飾るスペースの広さはどのくらい？（飾る場所・部屋の広さなど）
・絵の存在感はどのくらい？（目を引くようなデザインか、もしくはインテリアに馴染むデザインか　など）

ここでは、F／P／M／Sそれぞれ型の特徴と、お部屋に飾ったときに与える印象・存在感などについて解説していきますので、サイズ選びのご参考にされてみてください。

▶F型

F型は初心者・経験者問わず多くの方にオススメのサイズです。
F型は、比較的人物・風景などどんな対象でも描きやすく、美しく見せられるバランスになっています。
F型はクレジットカードや銀行カードなど身の回りにも多く使われているため、私たちの生活にも違和感なく溶け込みやすい形ともいえるでしょう。
画材も豊富で気に入った絵画やキャンバスを見つけやすい点もメリットです。



また初めて絵画を描くという方には、F４号(33cm×24cm)か６号(41cm×31cm）がおススメです。
小さいサイズ（0～3号）だと、その分絵が細かくなり繊細に描く必要がありますし、大きすぎる絵（たとえば20号など）はバランスがとりにくい可能性があります。

Ｆ4号・Ｆ6号あたりはその間で、初心者にも比較的無理なく描けるサイズです。
部屋に飾るのにも適したサイズなので、完成した自宅に飾って達成感も味わえるでしょう。

大きめの6号(410㎜×318㎜)～10号(530㎜×455㎜）のサイズになると、さらに存在感が出てきます。1枚お部屋に飾るだけで雰囲気がガラッと変わるでしょう。

また一般的には、ソファや寝具、キャビネットなど壁に寄せる家具の上に飾るとバランスが良いと言われています。

▶S型

Ｓ型は正方形の形を生かし、規則性のあるデザインなどを表現することに向いています。
インスタグラムやネット販売のサイトでは正方形の画像を使用していることもあり、S型の絵画だと画像を掲載しやすいメリットもあります。

また小さいサイズだと家具の上にそのまま置いて飾ることも可能で、贈り物にも最適です。
Ｆ型が主流であるためフレームやキャンバスなどの種類は少なめですが、少し個性のある絵画を飾りたい方には向いているサイズでしょう。

▶SM型

▶P・M型

P型・Ｍ型は、横長の形を生かした、広くて壮大な景色などの表現に向いています。
存在感を出したい時には大きめのサイズがオススメです。

30号(910㎜×727㎜）～50号（1167㎜×910㎜)になると約1メートル程になるため存在感がしっかりと出てきます。
広いリビングダイニングやオフィス、店舗や病院など、人の集まる広い空間に合わせやすいでしょう。

個性的な形であるため他の画材と比べて取り扱いは少ないですが、インパクトのある絵画を描きたい方にはオススメです。

■まとめ

絵画のサイズは「号数」で表すケースがあり、作品下のキャプションや価格表にて確認ができます。
号数は「F4号」などと表現され、それぞれ以下の意味があります。

・F＝絵画の短辺の長さ
・4＝絵画の長辺の長さ

絵画標準サイズとよばれる規格表を参照することで、実際のサイズが何mmであるかを確認することができます。
サイズ規格は日本と海外で若干の差があるため、どの規格を採用しているか確認しましょう。

また、絵画のサイズを測るときは、以下のポイントを抑えておきましょう。

・絵の向きは関係なく、長辺を基準に測る
・額を抜いた絵の部分のみを測る

実際に絵画やキャンバスサイズを選ぶとき、初めて絵画を描くという方はＦ4号やＦ6号がオススメです。
大きすぎず、小さすぎず比較的描きやすいサイズです。画材の種類も豊富であるため、気に入ったものが見つけやすいでしょう。
部屋に飾ってインパクトを残したいときや、人の集まる場所・広い空間で存在感を出したいときなどは、以下のサイズがオススメです。

・大きめの30～50号
・Ｆ型、Ｐ型やＭ型（長方形で風景・海景に適している）

また、デスクの上に飾ったり、持ち運んだり、ギフトで贈りたい場合などは小さめのサイズを選ぶとよいでしょう。
・小さめのＦ型、S型(0～3号)
・ＳＭ型


絵画のサイズについてご理解いただけたでしょうか？
本記事の内容が、絵画のサイズ選びにお役立ていただけると幸いです。
最後までお読みくださりありがとうございました。

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