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【黄金比】印刷と貴金属比の関係とは?


はじめに
簡単に拡大や縮小ができ、好きなサイズで出力できる「印刷」。
そしてヒトが無意識に美しいと感じる黄金比や白銀比と言われる「貴金属比」。

知らない人からすると一見、繋がりがないように思える「印刷」と「貴金属比」。
ですがそこには切っても切り離すことのできない深い関係があったのです。

この記事ではそんな印刷と深い関係がある白銀比や国際的にも広く知られる黄金比について解説していきます。

この記事でわかること

・貴金属比(黄金比、白銀比)とは
・印刷と白銀比の深い関わりとは
・貴金属比が使用されている建築物、絵画について

ということを主に説明していきます。

■印刷と白銀比の深い関係


パソコンのデータや写真、身分証明書の写しが必要な時などで誰しもが一度は印刷したことがあるかと思います。そんな印刷と関係がある白銀比ですが、普段生活しているとなかなか聞き馴染みのない言葉かと思います。そこではじめに「白銀比」の解説をします。

▶白銀比とは

白銀比(英語 silver ratio)は、1:√2(1.4142 ...ヒトヨヒトヨニ...)で表される比率の別名「大和比」と1:√2+1(1:2.4142 ...)で表される第2貴金属比の2種類あります。

今回は印刷と深い関わりの1:√2(1:1.4142…)の「大和比」と呼ばれる白銀比について解説していきます。

「大和比」は昔から大工さんの間で「神の比率」と呼ばれることもあり、日本の歴史的建築物にも使用されるほど日本人に縁のある比率です。
また日本人が好きな四角形が中村 滋著の「フィボナッチ数の小宇宙」という本の中で調査され、その中で1:1.43あたりの四角形が好まれるという調査結果がでています。このことから正方形(1:1)や黄金比(1:1.618…)を抑え、白銀比(1:414…)が使用されている長方形が一番好まれているということがデータからも証明されています。

他には黄金比はヒトの美しさの一つの指標として欧米などで黄金比が用いられることがあります。ですが私たち日本人の顔にはあまり当てはまらない為、日本を含めアジアでは白銀比が用いられることがあります。
白銀比に近い比率を持つ著名人の方は橋本環奈さんや前田敦子さんといったかわいい、童顔といったタイプです。もちろん好みは人それぞれですが、日本人は一般的に白銀比顔を好むといわれています。

そんな「神の比率」とされる日本人にとって密接な関係とも言える白銀比が印刷とどんな関係があるのでしょうか。

*貴金属比とは1:+√n²+4/2(nは自然数)で表される比のことでヒトが無意識に美しいと感じたり、安心感を与えることができます。他には「黄金比(英語 golden ratio)」や「青銅比(英語 brozen ratio)」、「白金比(英語 platinum ratio)」等があります。


▶コピー用紙の秘密

私達は普段意識せずとも自由に拡大や縮小をして好きなサイズで印刷をしています。
実は古代ギリシャから存在する、ある面白い比率と関係していたのです。

コピー用紙とある比率の秘密。それは

「白銀比を採用することで好きなサイズで印刷することができる」

「ん?どういう事だ」と思った方もいらっしゃると思います。
そこにはコピー用紙に白銀比を採用している、いや採用しなければいけない2つの理由があったのです。
その2つの理由をみていきましょう。


▶【理由その1】A判とB判はどちらも白銀比

紙の種類は菊判や四六判、ハトロン判がありますが、私達が普段印刷用紙として使っているものはA判とB判の2種類です。
A判とは19世紀末のドイツの物理学者オズワルド氏が発明した規格です。国際標準規格(ISO)に採用されており、A列を使用した用紙サイズです。国際的に使用されているのはA判サイズです。クリアファイルで思い浮かべるサイズは一般的にはA4サイズかと思います。
B判は江戸時代の幕府御用達であった美濃紙を基準に作成され、日本工業規格(JIS)が採用したB列を使用した用紙サイズです。採用している国は日本・中国・台湾の3カ国のみです。一般的に想像される大学ノートのサイズはB5だと思います。

A判はA0(841mm:1189mm)の面積が1平方メートル、B判はB0(1030mm:1456mm)の面積が1.5平方メートルとし、お互いに長辺側を起点に半分に折るとA0→A1、B0→B1、また半分に折るとA2,A3…A10、B2,B3...B10となっていきます。

面白い点は、お互いに違う国、時代にルーツを持つA判とB判ですがどちらも白銀比を採用している点です。
A判とB判が同じ白銀比を採用しているおかげで用紙の縦横の比率を変えず、拡大や縮小をしても余白を出すことがなく印刷ができます。
もし比率が違うとA判からB判へサイズを変更して印刷をする際に比率やサイズの調整をしなければならなくなり大変手間がかかります。
ですのでいかに白銀比が重要なのかがわかりますね。


▶【理由その2】白銀比は半分に切っても白銀比

こちらも白銀比の法則であり、メリットなのですが白銀比は長辺側の辺を起点とし、半分に切ると白銀比なのです。ですのでA0の紙からA10まで作っても無駄なく作ることができるのです。もちろん同じ白銀比を採用しているB判も無駄なく作ることができます。
お互いに無駄なく作れるのでエコです。

以上が「印刷」と「白銀比」の深い関係でした。

紙を無駄にすることなく、好きなサイズに拡大、縮小ができるという点が白銀比でないといけない理由でした。そんな理由があったとは奥が深いですね。


■そんなところに白銀比?!

私たち日本人に縁がありとても興味深い「大和比」である白銀比でしたが、コピー用紙だけではなく日本の世界遺産や象徴である建造物にも使用されています。では紹介していきます。

▶法隆寺

法隆寺は奈良県生駒郡にあり、冠位十二階や憲法十七条の制度を整えたことで有名な聖徳太子により607年に創建されました。
また「法隆寺地域の仏教建造物」として世界遺産、「世界最古の木造建築」としてギネスブックに登録、そして多くの国宝や重要文化財が保管されており文字通り日本の宝である法隆寺にも白銀比が採用されています。

金堂正面の屋根の幅に白銀比が採用されています。

実は日本で最初に世界遺産として登録された法隆寺ですが七不思議があり、その内の一つに「蜘蛛が巣をかけない」というものがあります。
実際に足を運ばれる機会があれば世界最古の木造建築を見学するのとあわせて、蜘蛛の巣を見つけてみるのも旅の思い出になるのではないでしょうか。


▶東京スカイツリー

東京の観光名所の一つである東京スカイツリー。2012年に工事が完成し地上からの高さが全長634mあり、タワーとして世界1位を誇る東京スカイツリーですが、なんとこの東京スカイツリーにも白銀比が採用されていたのです。全長が634mで第2展望台までの高さは448mです。
こちらにも1:1.414である白銀比に非常に近い比率が採用されています。
東京スカイツリーは全長が634mで「ムサシ」と読めたり、五重塔に使用されている心柱をもとに考えられた「心柱制振」という制振システムを採用することで地震による影響を緩和してたりと安全に美しさにと日本の威信と技術が詰め込まれたタワーです。

■世界的にポピュラーな縦横比「黄金比」

これまでは白銀比の説明でしたが、黄金比の方が聞き馴染みがあるという方も多いかと思います。
黄金比は最もポピュラーであり、古くからバランスの取れた比率として建築や絵画、美しさの指標など幅広いところで使用されています。
今回はその貴金属比の一種であり、とても魅力的な黄金比について見ていきましょう。

▶黄金比とは

黄金比(英語 golden ratio)とは1:1+√5/2(1:1.618…)で表される式で「ヒトが最も美しいと感じる比率」とされています。
古代ギリシャの数学者「エウドクソス」が発見し、その後1835年にドイツの数学者「マルティンオーム」が刊行した「初等純粋数学」の中で黄金比という用語が文献上に初めて登場し、広がったとされています。

また黄金比はヒトの美しさの一つの指標として欧米などで用いられることがあります。
特徴として黄金比に近い顔のパーツを持つ方は美人、キレイ系といわれてます。当てはまる著名人は歌手のアリアナグランデさん、モデルのキム・カーダシアンさんがいらっしゃいます。


▶黄金長方形とは


黄金長方形とは黄金比である「1:1.618」を縦横の比率を使用した長方形です。特徴は黄金長方形の中に短辺を基準に1:1の正方形をつくると新たな黄金長方形が出来上がります。
そして新たにできた長方形の中で先程と同じ要領で正方形を作ると黄金長方形が出来上がり、同じ手順で何度も繰り返し黄金長方形を作ることができます。黄金長方形は煙草の箱やクレジットカードなどで使用されています。

■黄金比を用いた世界の建物

黄金比は古くは古代ギリシャから存在しており、有名な建築物や絵画にも使用されていることがあります。
そんな黄金比が実際に使用されている建造物や絵画を見ていきましょう。


▶パルテノン神殿

歴史の教科書にも載っており、アテネの象徴でもあるパルテノン神殿。ギリシャの首都アテネに位置し、「アテネのアクロポリス」として1987年に世界遺産に登録されました。
当時、優秀な建築家や工芸家が集められ15年の歳月をかけ、紀元前431年に完成しました。ギリシア神話の女神アテーナーが祀られています。当時のギリシア古代建築であるドーリア式建築の最高峰で、装飾彫刻もギリシア美術の傑作とも言われています。
そんなパルテノン神殿にも黄金比が使用されています。

パルテノン神殿を真正面から見ると縦と横の比率が1:1.618で黄金比が使用されています。
ほかには円柱の中心部を膨らませ、下から見たときに美しく見せる「エンタシス技法」という錯覚を生ませる構法を使用しているのもパルテノン神殿が美しいと言われる理由のひとつです。

▶モナリザ

モナリザは1503年頃から1506年頃にルネサンス最高の画家と言われているレオナルド・ダ・ヴィンチによって描かれました。

またレオナルド・ダ・ヴィンチは「ただの1作品も完成させることができなかった」と晩年に語るほどの完璧主義者でまた「飽くなき探究心」と「尽きることのない独創性」を兼ね備えた人物であり、絵画だけでなく解剖学や科学など後世に多大な影響を与えた人物です。
現存する作品は約15作品と少なく、その内の一つがこの「モナ・リザ」です。さまざまな謎があり「どこで描かれたのか」「下地には何が使われているのか」「そもそも描かれている女性はなのか」などさまざまな疑問があり多くの謎に包まれた作品です。

モナリザが美しいと言われている理由はボカシや遠近法など様々な理由がありますが、黄金比が採用されているからなんです。
フランス・パリにあるルーブル美術館にて真作を見ることが出来るので、一度は見てみたいですね。

■まとめ

以上が貴金属比や印刷との深い関係についての説明でした。
いかがでしたか。我々とは無関係だと思っていた貴金属比も実は白銀比を採用していないと印刷ができなかったり、紀元前の建築物にも黄金比が使用されていたり、あの著名人の顔のパーツが黄金比だったりととても奥の深い比率でしたね。
意識していないと全く気づくことのできない貴金属比ですが、もしかするとあなたが無意識に美しいと感じるものにも貴金属比が採用されているのかもしれません。

この記事が少しでもあなたのお役に立てれば幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました。

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